今夏は室内でも熱中症に注意!涼しい家づくりで快適な夏を過ごそう!

執筆:はちとり(株式会社SOWAKA・スタッフ)

執筆:はちとり(株式会社SOWAKA・スタッフ)

毎年のように最高気温が更新されたり、猛暑日の連続記録が塗り替えられるような、酷暑になっている日本の夏。

「熱中症で大勢が緊急搬送された」というニュースも毎日のように耳にします。最悪の場合死に至ることもある、決して油断できない熱中症。お出かけ先や屋外での運動中だけでなく、実は屋内でも注意が必要なのです。

日本の暑い夏を乗り切るには、涼しい家づくりが非常に大切。ご自身や家族を守るためにも、ぜひ住まいを見直してみて下さい。

熱中症の発生状況

細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均値、直線(赤):長期変化傾向。
基準値は1991〜2020年の30年平均値。

こちらは、日本の夏(6〜8月)の平均気温推移をグラフにしたものです。(引用:気象庁|日本の夏(6〜8月)平均気温偏差の経年変化(1898〜2022年)

上記のデータによると、日本の夏の平均気温は、上下しながらもだんだんと上がってきており、長期的にみると100年で1.19℃も上昇しています。

中でも東京などの大都市では、ヒートアイランド現象によって、平均気温が100 年あたりで3.2℃も高くなっているそう。

最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上35℃未満の日を真夏日と言いますが、近年では猛暑日が何日も続き、命の危険を伴う暑さとなる日が増加しています

猛暑が続くことに伴い、心配になってくるのが『熱中症』。ニュースでもよく耳にしますし、実際暑い中で体調が悪くなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

消防庁の発表では、2024年5月~9月の全国における熱中症による救急搬送人員は、 97,578人。これは、調査を開始した平成 20 年以降で最も多い搬送人員となったそうです。

さらに発生場所に関しては、意外にも『住居』での発生が最も多く、全体の38%を占めています

参考:消防庁『令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況

『住居』は、屋内外すべてを含めた敷地内全てを指しています。屋外の場合、庭やベランダだからと軽い気持ちで、熱中症対策を十分にせずに作業をしてしまったことが考えられます。

室内での熱中症の原因としては、室温や湿度を調節しきれていなかった、十分に水分補給が行われていなかったなどがありますね。また、夜に冷房を使用せず、就寝中に熱中症になることも。

体温調節が上手くできない小さなお子さんや、暑さを感じにくくなっている高齢者の方は特に注意が必要です。

室内での熱中症を防ぐ方法

こまめに水分・塩分補給をする

通常の生活を送っていくだけで、大人は1日2.5リットルもの水分を失っているそう。暑い夏は、それ以上に体温調節をするための汗をかくため、より多くの水分が必要となってきます。

仕事や勉強に集中していると、ついつい飲み物を飲むことも忘れがちですね。室内での熱中症を防ぐためには、のどが渇いていなくても1日を通して定期的に水分をとることが大切です。

たくさん汗をかいたときは、スポーツドリンクや塩分入りの飲み物がおすすめ。一方水分を取らなくてはと言って、ビールなどのアルコールは体内の水分を排出する働きがあり、かえって水分不足になってしまうので要注意です。

エアコンや扇風機を上手に使う

暑いときは無理をせずに、エアコンをつけて室温を下げるようにしましょう。目安は26~28℃くらいが良いとされますが、ご自身の快適な温度に合わせていただくのが良いですね。

さらに扇風機やサーキュレータを使って空気を循環させると、冷房の効果がアップして、気になる電気料金の節約にも繋がります。

実は夜寝ている間も熱中症になることがあるので、夜中もタイマー機能や除湿機能を使って、室内を良い環境にキープしていただくのがおすすめ。眠りやすい部屋でしっかりと睡眠を取ることによって、体調を整えることもできます。

カーテンやブラインドで直射日光を防ぐ

日差しが入ると部屋の温度がどんどん上がります。夏の暑さの約70%以上は窓から室内に入ってくると言われる程、窓からの熱はダイレクトに影響するもの。

カーテンやブラインドを閉めたり、すだれを使って室温の上昇を防ぐのが非常に効果的です

ベランダなど窓の外に植物を植えて、グリーンカーテンを作るのも良いですね。グリーンがあると見た目にも涼しくなります。

風通しを良くする

昔から日本家屋は風通しを良くすることで、暑い夏を乗り切ってきました。(現代とは暑さのレベルは違いますが)

窓を開けて、外からの風を室内に入れて風を通すことで、湿度を調整しながら暑さを軽減させることができます。

熱中症警戒が出ているような暑い時は、迷わずエアコンを使っていただきたいですが、朝晩過ごしやすい日には体を慣らす為にもぜひお試しいただけたらと思います。

体を冷やす

暑い時は、首の後ろ、わきの下、足のつけ根(ももの内側あたり)などを冷やすと効果的です。これらの部分には、太い血管(動脈)が体の表面近くを通っているため、そこを冷やすことで体の中を流れる血液の温度を下げることができます。

血液の温度が下がると、全身に流れるうちに体全体の温度も下がるので、効率的に体を冷やすことができますよ。

冷たいタオル、保冷剤、冷却スプレーなどを使ってみて下さい。

服装を工夫する

家の中でも、風通しが良く、汗を吸いやすい素材の服を着るのが良いですね。吸汗性、速乾性に優れた素材の服は、汗が蒸発しやすく体温調節をしやすくしてくれます。

さらに襟ぐりが広い、ゆったりしたデザインは、服と体との間に空間ができ、熱がこもるのを防いでくれるのでおすすめです。

体調管理に勤める

体調が整っていないと、熱中症になるリスクが高くなってしまいます。風邪などをひいていない元気な状態でも、睡眠不足が続いていたり、朝ごはんを食べずにでかける方は注意が必要です。

暑さに負けないためにも、しっかりとご自身の体調を整えて暮らせるように心がけましょう

また、本格的な夏が来る前に、無理のない範囲で軽く運動したり入浴で汗をかいたり、少しずつ体を暑さに慣らしていくことも大切です。

涼しい住まいを作る

これから家づくりを考えている方は、ぜひ住まいそのものの性能を考えながら、熱中症対策をしていただけると、さらに快適な暮らしを送ることができます。

例えばどのような方法があるのでしょうか。

高気密・高断熱の住まいづくり

夏涼しい家を実現するための1番重要なポイントは、住宅の断熱性と気密性を高めることです。

「断熱性の高い家とは?」と疑問を持つ方も多いですよね。断熱性を高める施工にはいくつかあるのですが、それらを行うことで、屋外の熱が室内に入ってくることを防ぎ、外気温の影響を受けにくくなります。

また、同時に気密性も高めることで、隙間から空気の出入りをすることを防ぎ、エアコンで冷やした室温をキープすることがしやすくなります。

高気密・高断熱の住まいには、以下のような工事を行うことが必要。

断熱性を高める方法

  • 壁や床、天井に効果的な断熱材を隙間なく敷き詰める
  • 断熱性能のある窓やサッシをセレクトする

リノベーションの場合には、断熱材を入れ込む為に、フルリノベーションレベルの工事を検討していただくことが必要です。

また、窓やサッシに関しては、二重窓を設置することで同様の断熱効果を発揮することができるので、工事の規模やご予算に合わせてご相談いただけると良いですね。

断熱リノベーションに関しては、こちらの記事にさらに詳しく載せておりますので、ぜひご覧いただけると参考になりますよ。

風通しの良い家

先ほども説明したように、昔からの日本家屋は非常に風通しが良い建物がほとんどで、壁が少なく、ふすまを全て開けるとワンフロアになり、自然と風が吹き抜けるようになっています。

現代の建物では、なかなか難しい部分もあるのですが、窓やドアの位置や方向によって大きく変わってくることも多いです。

住まいづくりをしていく中で、ぜひ『風の通り方』も考えながら、ご相談を進めていただけると、格段に快適な住まいになります。

日射を防げる計画を

太陽の日差しや地表面からの照り返しの日光は、屋内の気温を大きく左右します。特に夏は、暑さの70%が窓から入ってくると言われる程。

外からの光を遮るための方法として、庇や軒を広めに設計していただくこともひとつです。日本では季節によって太陽の高さが変わり、日光の入り方も変わってくるので、冬シーズンのことも計算に入れながら計画していただくのがおすすめ。

また、自然がお好きな方は、日陰になるようにグリーンの植栽を植えていただくのも良いですね。

日差しをしっかりと遮り、室内に日射が入り込まないようにすることで、冷房エネルギーを15〜45%も削減できるとも言われています。

参考にしたい!ポーチのある住まい【施工事例】

新築事例紹介|一宮市の新築戸建て事例《ポーチが印象的なナチュラル空間》

ギャラリー 物 件 概 要 広々とした開放感が印象的なポーチ 外観を見た時に、先ず一番に目に入ってくる3本の並んだ柱。柱に仕切られた内側は、屋根のある広いポーチに…

まとめ

熱中症の発生状況から、室内熱中症を予防するために大切な点や、涼しい家のご紹介などをしてきました。

近年の猛暑を考えると、家では無理なく過ごせるようにしたいところですが、電気代が高騰している中、エアコンの使用は控えめに、家の構造そのもので快適に過ごせると良いですよね。

夏涼しい家づくりを実現するためには、構造や設備などで工夫をすることが大切です。

特に断熱性を高める工事では、夏だけでなく寒い冬にも快適に過ごすことができるようになります。ぜひこれから家づくりをされる皆さまは、デザインはもちろん機能面でも満足できる住まいづくりができると良いですね。

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