実家をリノベーションしたい!名義変更や贈与税はどうなる?メリットや注意点を専門家が解説

執筆:はちとり(株式会社SOWAKA・スタッフ)

執筆:はちとり(株式会社SOWAKA・スタッフ)

実家は、名義や税金のルールを確認したうえでリノベーションを行えば、住み慣れた地域で新しい暮らしを始められる住まいへと生まれ変わります。

「親から実家を譲り受けて住みたい」「実家を二世帯住宅にしたい」「相続や贈与の手続きはどうすればいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

実家を活用したリノベーションは、新築や建て替えと比べて費用を抑えやすく、住み慣れた地域で暮らしを続けられることが大きな魅力です。一方で、名義変更のタイミングや贈与税など、事前に確認しておきたいポイントもあります。

本記事では、実家リノベーションで実現できる暮らし方や活用できる制度、名義変更や贈与税の考え方、実際の施工事例まで名古屋でリノベーションを手がけるSOWAKAが詳しく解説します。

目次

実家リノベーションのメリットは?

実家リノベーションには、住み慣れた地域で暮らし続けながら、新築や建て替えより費用を抑えやすく、補助金や減税制度を活用できるメリットがあります。

ここでは、実家リノベーションならではの魅力を詳しくご紹介します。

住み慣れた地域で新しい暮らしを始めることができる

ご自身が生まれ育った実家ですので、周りの土地勘やご近所関係などがある程度分かっている場所での生活となります。例えば、最寄りの駅やスーパー、病院、お子さんがいる方は通える学区や児童館、公園などのリサーチをイチから新たにする必要がありません。

また、親戚や知り合いが近くに住んでいる場合も多く、いざという時にはお互い助け合うこともできます。

そして何より、子どものころから知っている地域は、懐かしさと共に気持ちが落ち着くのではないでしょうか。

新築や建て替えより費用を抑えやすい

実家リノベーションは、既に物件がある状態から始まるため、中古住宅を購入する費用が必要なくなります。また、建て直しと比べても、取り壊し費用を抑えることができます。

新しく住まいを検討する中では、比較的リーズナブルに住まいを手にすることができることが大きなメリットのひとつです。

固定資産税や減税制度のメリットを活用できる

建築されてから数十年過ぎた実家の場合、建物の価値である「固定資産税」がある程度値下げされてる場合がほとんどです。その実家をリノベーションすると、固定資産税はどうなるのでしょう。

答えは、ある程度の工事の場合、固定資産税は値下げされた値段のままとなります。

つまり、実家リノベーションは固定資産税に影響がなく、減税対策ができると言えるのです。

※ただし、構造自体を触るような規模の大きな工事では、固定資産税が変わってしまう場合もあるので注意しましょう。

補助金を活用してお得にリノベーションできる

近年はリノベーションで活用できる補助金が多くあります。

例えば、省エネ対策として高機能な断熱材や窓ガラスの導入に対して使える補助金。高齢になるご両親を考慮して、手すりを設置するなどのバリアフリー工事に対する補助金など。

ぜひ使える補助金を活用しながら、より良いリノベーションを実現していけると良いですね。

実家リノベーションではどんな暮らし方ができる?

二世帯住宅で支え合いながら暮らす

実家リノベーションでよく耳にするのは、「両親と二世帯で住む」という暮らし方

これから高齢になっていく親御様と一緒に暮らすことで、いつでも近くに居られる安心感が生まれます。

また、お子様がいるご家庭では、おじいちゃんおばあちゃんとたくさん会うことができ、いざという時には助けてもらえるというような、お互いにメリットも。

二世帯住宅と一言でいいますが、いくつかスタイルの違う暮らし方があります。

同居型の二世帯住宅

玄関やキッチン、お風呂・トイレなどの水廻りなど、全てを共にして暮らす方法。

家族全員で顔を合わせる機会が多く、賑やかに暮らすことができます。

一方、ご両親とご夫婦の生活スタイルが違う場合はどうしてもお互い気を使ってしまい、なかなかプライベートも確保できないというデメリットもありますね。

完全分離型の二世帯住宅

ひとつの建物の中で、ご両親とご夫婦で完全に空間を分けて暮らす方法。

面積のある住まいの場合はエリアを分けたり、1階2階の上下で分けることもできます。

この場合は、それぞれのエリアにキッチンやトイレなどの水廻りも各1つずつ計画していくことが多いです。

すぐ近くにいながら、それぞれの生活リズムを崩すことなく、ストレスなく生活することができますね。

ご希望によって、玄関そのものを別にしたり、お風呂だけは共用にするなど、そのご家族の一番良いスタイルにアレンジすることが可能です。

二世帯住宅を計画するときのポイント

これから高齢になっていくご両親との住まいを考える際には、手すりを付けたり、車いすで通れるように段差をなくして通路を広くする等、バリアフリーを考えながらの計画をしていくのがオススメです。

補助金が利用できる地域も多いので、ぜひ有効活用していただけると良いですね。

断熱リノベーションで一年中快適に暮らす

実家リノベーションでぜひ一緒に考えていただきたいことが、断熱リノベーションです。

断熱リノベーションとは?

壁や床下・天井に断熱材を入れ込んだり、窓を断熱効果の高い物に変えたりすることで、外気の影響を受けにくくする工事です。

断熱リノベを行うことにより、夏涼しく冬暖かい、快適な住まいにすることができます。

また、寒暖差によるヒートショックの予防や、結露によるダニ・カビアレルギーの対策にも効果があります。

耐震リノベーションで安心して暮らす

地震大国である日本。特に心配されている南海トラフ周辺で、今後30年の間に大きな地震が起こる確率は70~80%とも言われています。

親御様世代に建てられた建築は、耐震技術が今よりも低かったり、経年劣化で弱くなっていることが多いです。

リノベーションを機に、柱や梁などの構造体に耐震補強を行うことで、大地震に備えることができます。

また、日本の建築基準法は1981年6月に大きく改訂され、耐震基準も基準が厳しくなりました。

その改訂よりも前に建てられたご実家の場合は、耐震補強に予算がかかり過ぎてしまったり、補強が難しい可能性があります

リノベーションを検討していく中で、必ず専門家に相談するようにしましょう。

要注意!実家リノベーションの名義変更や贈与税はどうなる?

実家リノベーションを考えている方は、リノベのタイミングで名義変更を行う方が多いです。

ご両親が住んでいる、親名義の実家をリノベーションして暮らす場合を考えてみましょう。

リノベーション費用をご両親が出す場合には、特に税金などがかかることはありません。ただ、ご高齢になる親御様がローンの借り入れを行うことは審査が厳しく、大規模なリノベーションをする際には不向きな方法だと言えます。

一番多い例は、「自分たちが住みやすいようにリノベしたいから、費用は自分達で。」と、実家に入る夫婦がローンを組んでリノベーション費用を出すパターン。

ただし、この場合は注意が必要!

「親名義である家のリノベーション費用を子どもが払う」ことは、子どもから親への「リノベーション費用の贈与」になります。年間110万円以上の贈与には、それが例えこれから一緒に暮らす親子であっても、贈与税がかかってしまうのです。

また、本人名義でない物件の場合は、ローンの審査が厳しくなってしまい、金融機関によっては借り入れができないこともあるようです。

そのため、実家リノベーションを考えている方は、リノベのタイミングで名義を移す選択をされる方が多くいらっしゃいます。

実家を購入して名義変更する方法

両親の持っている実家を、夫婦が購入して名義を変更するという方法です。

実家を譲り受けたわけではなく、しっかりとお金を出して買っているので、もちろん贈与税は発生しません。

この時点では、土地を購入する必要はありませんので、建物のみの購入で大丈夫です。

ただし、親子だからといってあまりに低い値段でのやりとりは不正となってしまいますので、妥当な売買価格でやりとりをするようにしましょう。

実家を贈与してもらう方法

ご両親から子どもへ、実家を贈与してもらい名義変更を行う方法です。

贈与税がかかってきますが、築年数のある建物は固定資産評価額も大幅に下がることが多いので、思っていたよりも贈与税がかからなかったという話もよく聞きます。

例えば、固定資産評価額が200万円の住宅を譲り受けた場合の贈与税は10万円以下程度。手間を考えると、素直に贈与の選択をされるのもひとつの手かもしれません。

相続時精算課税制度は利用できる?

実家の固定資産税評価が高額で、購入が難しい場合には、「相続時精算課税」という制度が活用できます

「相続時精算課税」は2,500万円までであれば非課税で財産を贈与できる制度です。実家建物の固定資産税評価が2,500万円以下であれば、例え実家を譲ってもらったとしても、その時点では贈与税が発生することはありません。

ただし親が亡くなり相続が発生すると、それが相続財産とされ、今度は相続税の支払い義務が生じます。あくまでも「税金の支払いを先延ばしにする方法」として検討していただくのが良いです。

実家リノベーションの施工事例

ここからは、株式会社SOWAKAが実際に施工した《実家リノベーション》の事例をご紹介していきます。

【事例1】譲り受けた実家を夫婦で暮らしやすくリノベーション

元々は1階に工場、2.3階を住居として使われていた3階建て重量鉄骨造の空き家を、ご両親から譲り受けたご夫婦。

断熱性能を高めるリノベーションを行い、当時お住まいだった住居を手放して移り住むことを選択されました。

外階段を通って2階にあった玄関は、1階に移設。外壁もバイカラーを使った、印象的でスマートな見た目に。

老後まで見据えて、バリアフリーを考慮しながらも、暮らしの中で趣味の時間をじっくりと楽しめるよう、DIY用の部屋やインナーバルコニーなど空間を贅沢に使った住まいづくりとなりました。

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この物件の完成事例紹介記事はこちら

重量鉄骨造リノベーション

名古屋市熱田区の3階建て重量鉄骨造
断熱フルリノベーション事例紹介

ご両親から譲り受けた、1階は工場、2.3階が住居として使われていた3階建て重量鉄骨造の空き家。ご夫婦でこれから老後まで、時間を贅沢にゆっくりと暮らせるように、バリアフリーを重視しながらフルリノベーションを行いました。

お客様ご自身と工務店と大工さんが、対等な関係でリノベーションを進めたいとご希望を持っていたおふたり。弊社としても非常に嬉しいことで、心を込めてご夫婦の暮らしがより豊かになるようなご提案をさせていただきました。

【事例2】完全分離型の二世帯住宅にリノベーション

元々は建物の2階にご両親が住んでいたご実家。

フルリノベーションを行い、大きく間取りを変更しながら、1階にご両親、2階にご夫婦家族が暮らす二世帯住宅に生まれ変わりました。

外階段を登った2階にも玄関を作り、完全分離型の二世帯住宅は、お互いの生活リズムやスタイルを大切にしながら、ストレスも少なく暮らすことができます。

1階はご両親のこれからに合わせて、車いすでも暮らせるようバリアフリー設計を採用しました。

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軽量鉄骨造リノベーション

尾張旭市の軽量鉄骨造2階建て
フルリノベーション事例紹介

セキスイハイムで建てられたご実家を、2世帯で暮らす為にフルリノベーション。

1階はご両親のこれからに合わせて、車いすでも暮らせるようバリアフリー設計に。外階段をのぼって玄関を分けた2階は、ご夫婦とお子様が暮らす、回遊性のある間取りが特徴的な住まいに。

【事例3】空き家になった実家を住み継ぐリノベーション

空き家となっていた、ご主人のご実家である戸建て住宅。

一度は売却も頭に浮かびながらも、「もう一度住みたい」というご夫婦の想いからフルリノベーションをして生まれ変わりました。

1階から3階まで大胆につながる吹き抜けをつくり、ストリップ階段を架け替えることで、家全体に光が降り注ぐ空間に。

白で統一した空間に黒のコントラストが映え、心地よい風も家中を通り抜けます。

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重量鉄骨造リノベーション

名古屋市東区の3階重量鉄骨造
実家フルリノベーション事例紹介

空き家となっていた、ご主人のご実家である戸建て住宅。

1日中暗いという改善点をクリアする為に、1階から3階まで大胆につながる吹き抜けをつくり、大規模なスケルトン階段の架け替えを計画。

家族の愛犬2匹にとっても最高の空間となりました。

【事例4】親世帯が安心して暮らせるバリアフリーリノベーション

1階を事務所、2・3階を住居として使っていた重量鉄骨造3階建ての建物。

メインのLDKは2階に計画しましたが、お母様が1階で生活を完結でき、安心して暮らせる家を目指しました。

お母さまの部屋をメインにした1階部分には、家族みんなが使うバスルームや洗面台、玄関を設計。生活動線があるので、顔を合わす機会が減ることもなく、家族のコミュニケーションが確保できます。

さらに、階段の昇り降りが楽にできるように、屋外にあった階段を室内へ移動させ、低い段差の階段を計画し架け替えをしました。

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重量鉄骨造リノベーション

愛知県豊山町の3階建て重量鉄骨造
二世帯住宅リノベーション事例紹介

1階を事務所、2・3階を住居として使っていた重量鉄骨造3階建ての建物。

足の悪いお母さまと一緒に安心して暮らせるようにと、バリアフリー機能を向上させながら計画した、二世帯住宅のリノベーションです。

実家に住まない場合はリノベーションして売却できる?

実家に住む予定がない場合は、空き家のまま所有し続けるだけでなく、リノベーションして売却するという選択肢があります。

近年は、新築価格の上昇を背景に、中古住宅やリノベーション済み住宅への関心が高まっています。立地や建物の状態によっては、リノベーションを行うことで資産価値を高められる可能性があります。

ここでは、実家を空き家のままにするリスクと、リノベーションして売却するメリットについてご紹介します。

空き家のままにしておくリスクとは?

実家を空き家のままにしておくと、建物の劣化が進みやすく、定期的な管理やメンテナンスの負担も発生します。

また、2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、適切に管理されていない空き家は固定資産税の軽減措置が適用されなくなる場合があります。

「仕事や学校の都合で実家には戻れない」「実家で暮らす予定はない」という方も多いのではないでしょうか。

空き家を所有し続ける場合は、維持管理の手間やコストも考慮することが大切です。

実家をリノベーションして売却するメリットは?

近年は、物価の上昇に伴い、新築住宅だけでなく、中古住宅を購入して自分らしく暮らしたいと考える人が増えています。

そのため、実家が空き家になっている場合は、中古住宅としてそのまま売却するだけでなく、リノベーションをして価値を高めてから売却する方法もあります。

特に、駅に近い物件やマンションなど、立地条件の良い実家は、買い手が見つかりやすい傾向があります。

実家を活用する方法は、「住み継ぐ」だけではありません。ご家族のライフスタイルや将来設計に合わせて、売却も含めて検討してみるとよいでしょう。

この記事のライター

はちとり(株式会社SOWAKA・広報)

◆保有資格:リノベーションコーディネーター

・実績:株式会社SOWAKAで建築業に携わって4年。広報を通じて住まいの知識をお伝えしています。

・一言コメント:ナチュラルな風合いや、古民家のようなアンティークの雰囲気が大好物。3人の子育てを通して感じた、“暮らしのリアルな困りごと”や”小さな疑問”をもとに、住まいづくりに役立つ情報をお届けしています。

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