夏の室内熱中症を防ぐには?断熱リノベーションの専門家が教える涼しい家づくり
執筆:はちとり(株式会社SOWAKA・スタッフ)
執筆:はちとり(株式会社SOWAKA・スタッフ)

室内熱中症を防ぐためには、エアコンなどの日常的な暑さ対策に加え、住まいの断熱性能を高め、日差しを室内に入れない工夫をすることが重要です。
毎年のように最高気温が更新され、猛暑日が続く日本の夏。「熱中症で大勢が緊急搬送された」というニュースを耳にする機会も増えていますね。実は、熱中症は屋外だけでなく、自宅のリビングや寝室など、普段過ごしている室内でも起こる危険があります。
「エアコンをつけているのに部屋がなかなか涼しくならない」「2階の寝室が暑くて眠れない」「小さなお子さまや高齢の家族が心配」と感じている方も多いのではないでしょうか。
名古屋で断熱リノベーションを手がけるSOWAKAが、室内熱中症の原因と効果的な対策、夏でも快適に過ごせる住まいづくりのポイントをわかりやすく解説します。
- 1. 熱中症はどれくらい増えている?
- 2. 室内で熱中症を防ぐには何をすればいい?
- 2.1. こまめに水分・塩分補給をする
- 2.2. エアコンや扇風機を上手に使う
- 2.3. カーテンやブラインドで直射日光を防ぐ
- 2.4. 風通しを良くする
- 2.5. 体を冷やす
- 2.6. 服装を工夫する
- 2.7. 体調管理に勤める
- 3. 夏でも涼しい住まいをつくるには?
- 3.1. よく聞く『高気密・高断熱住宅』はなぜ夏も涼しいの?
- 3.1.1. 断熱性能を高める方法
- 3.1.2. 断熱リノベーションでできること
- 3.2. 風通しの良い間取りを計画
- 3.3. 日射を防ぐ住まいの工夫
- 4. まとめ
- 5. 名古屋で断熱リノベーションをするならSOWAKA
熱中症はどれくらい増えている?
熱中症による救急搬送者数は年々増加しており、特に自宅などの「住居」で発生するケースが多くなっています。
その背景には、日本の夏の気温上昇があります。

細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均値、直線(赤):長期変化傾向。
基準値は1991〜2020年の30年平均値。
こちらは、日本の夏(6〜8月)の平均気温推移をグラフにしたものです。(引用:気象庁|日本の夏(6〜8月)平均気温偏差の経年変化(1898〜2022年))
上記のデータによると、日本の夏の平均気温は、上下しながらもだんだんと上がってきており、長期的にみると100年で1.19℃も上昇しています。
中でも東京などの大都市では、ヒートアイランド現象によって、平均気温が100 年あたりで3.2℃も高くなっているそう。
最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上35℃未満の日を真夏日と言いますが、近年では猛暑日が何日も続き、命の危険を伴う暑さとなる日が増加しています。
猛暑が続くことに伴い、心配になってくるのが『熱中症』。ニュースでもよく耳にしますし、実際暑い中で体調が悪くなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
消防庁の発表では、2024年5月~9月の全国における熱中症による救急搬送人員は、 97,578人。これは、調査を開始した平成 20 年以降で最も多い搬送人員となったそうです。
さらに発生場所に関しては、意外にも『住居』での発生が最も多く、全体の38%を占めています。

参考:消防庁『令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況』
『住居』は、屋内外すべてを含めた敷地内全てを指しています。屋外の場合、庭やベランダだからと軽い気持ちで、熱中症対策を十分にせずに作業をしてしまったことが考えられます。
室内での熱中症の原因としては、室温や湿度を調節しきれていなかった、十分に水分補給が行われていなかったなどがありますね。また、夜に冷房を使用せず、就寝中に熱中症になることも。
体温調節が上手くできない小さなお子さんや、暑さを感じにくくなっている高齢者の方は特に注意が必要です。
室内で熱中症を防ぐには何をすればいい?
室内で熱中症を防ぐためには、エアコンや扇風機を活用して室温と湿度を適切に管理するとともに、こまめな水分補給や体調管理を心がけることが大切です。
熱中症は屋外だけでなく、自宅のリビングや寝室でも発生します。特に、小さなお子さまや高齢者は暑さを感じにくかったり、体温調節が難しかったりするため、周囲の配慮が欠かせません。
ここでは、今日から実践できる室内熱中症対策を7つご紹介します。
こまめに水分・塩分補給をする

通常の生活を送っていくだけで、大人は1日2.5リットルもの水分を失っているそう。暑い夏は、それ以上に体温調節をするための汗をかくため、より多くの水分が必要となってきます。
仕事や勉強に集中していると、ついつい飲み物を飲むことも忘れがちですね。室内での熱中症を防ぐためには、のどが渇いていなくても1日を通して定期的に水分をとることが大切です。
たくさん汗をかいたときは、スポーツドリンクや塩分入りの飲み物がおすすめ。一方水分を取らなくてはと言って、ビールなどのアルコールは体内の水分を排出する働きがあり、かえって水分不足になってしまうので要注意です。
エアコンや扇風機を上手に使う

暑いときは無理をせずに、エアコンをつけて室温を下げるようにしましょう。目安は26~28℃くらいが良いとされますが、ご自身の快適な温度に合わせていただくのが良いですね。
さらに扇風機やサーキュレータを使って空気を循環させると、冷房の効果がアップして、気になる電気料金の節約にも繋がります。
実は夜寝ている間も熱中症になることがあるので、夜中もタイマー機能や除湿機能を使って、室内を良い環境にキープしていただくのがおすすめ。眠りやすい部屋でしっかりと睡眠を取ることによって、体調を整えることもできます。
カーテンやブラインドで直射日光を防ぐ

日差しが入ると部屋の温度がどんどん上がります。夏の暑さの約70%以上は窓から室内に入ってくると言われる程、窓からの熱はダイレクトに影響するもの。
カーテンやブラインドを閉めたり、すだれを使って室温の上昇を防ぐのが非常に効果的です。
ベランダなど窓の外に植物を植えて、グリーンカーテンを作るのも良いですね。グリーンがあると見た目にも涼しくなります。
風通しを良くする

昔から日本家屋は風通しを良くすることで、暑い夏を乗り切ってきました。(現代とは暑さのレベルは違いますが)
窓を開けて、外からの風を室内に入れて風を通すことで、湿度を調整しながら暑さを軽減させることができます。
熱中症警戒が出ているような暑い時は、迷わずエアコンを使っていただきたいですが、朝晩過ごしやすい日には体を慣らす為にもぜひお試しいただけたらと思います。
体を冷やす

暑い時は、首の後ろ、わきの下、足のつけ根(ももの内側あたり)などを冷やすと効果的です。これらの部分には、太い血管(動脈)が体の表面近くを通っているため、そこを冷やすことで体の中を流れる血液の温度を下げることができます。
血液の温度が下がると、全身に流れるうちに体全体の温度も下がるので、効率的に体を冷やすことができますよ。
冷たいタオル、保冷剤、冷却スプレーなどを使ってみて下さい。
服装を工夫する
家の中でも、風通しが良く、汗を吸いやすい素材の服を着るのが良いですね。吸汗性、速乾性に優れた素材の服は、汗が蒸発しやすく体温調節をしやすくしてくれます。
さらに襟ぐりが広い、ゆったりしたデザインは、服と体との間に空間ができ、熱がこもるのを防いでくれるのでおすすめです。
体調管理に勤める
体調が整っていないと、熱中症になるリスクが高くなってしまいます。風邪などをひいていない元気な状態でも、睡眠不足が続いていたり、朝ごはんを食べずにでかける方は注意が必要です。
暑さに負けないためにも、しっかりとご自身の体調を整えて暮らせるように心がけましょう。
また、本格的な夏が来る前に、無理のない範囲で軽く運動したり入浴で汗をかいたり、少しずつ体を暑さに慣らしていくことも大切です。
夏でも涼しい住まいをつくるには?

夏でも涼しい住まいをつくるためには、エアコンに頼るだけでなく、住まいそのものの断熱性能を高め、風通しや日差しの入り方を工夫することが大切です。
室内に熱が入りにくく、こもりにくい住まいは、快適に過ごしやすいだけでなく、冷房効率の向上や光熱費の削減にもつながります。
ここでは、高気密・高断熱住宅の仕組みや、風通しの良い間取りのポイント、日射を防ぐ工夫など、夏を快適に過ごすための住まいづくりについてご紹介します。
よく聞く『高気密・高断熱住宅』はなぜ夏も涼しいの?
高気密・高断熱住宅が夏も涼しいのは、外の暑さを室内に伝えにくく、エアコンで冷やした涼しい空気を逃がしにくいためです。
断熱性とは、外の暑さや寒さを室内に伝わりにくくする性能のこと。断熱性が高い家は、夏の強い日差しや外の熱気が室内に入りにくくなります。
一方、気密性とは、家のすき間を減らし、空気の出入りを少なくする性能のことです。気密性が高いと、エアコンで冷やした涼しい空気が外に逃げにくくなり、室温を快適に保ちやすくなります。
つまり、高気密・高断熱住宅は「外の暑さを入れにくく、室内の涼しさを逃がしにくい家」といえます。
エアコンの効きも良くなるため、快適に過ごせるだけでなく、冷房費を抑えやすいのもメリットです。
断熱性能を高める方法
家の断熱性を高める方法には、主に次のようなものがあります。
- 壁・床・天井に断熱材を入れる
- 断熱性能の高い窓やサッシに交換する
- 今ある窓の内側に「内窓」を設置する
特に、家の中で熱の出入りが最も多いのは「窓」です。そのため、窓の断熱対策を行うだけでも、夏の暑さをやわらげる効果が期待できます。

断熱リノベーションでできること
今住んでいる家の断熱性を高める方法として、断熱リノベーションがあります。
家全体の断熱性を高める場合は、壁や床、天井を工事して断熱材を入れるため、大規模なフルリノベーションになることが多いです。
一方で、比較的取り入れやすい方法として、内窓の設置や窓・サッシの交換。窓まわりの断熱性を高めるだけでも、室内の暑さをやわらげ、エアコンの効きを良くする効果が期待できます。
住まいの状態やご予算に合わせて、無理のない範囲で断熱リノベーションを検討してみるとよいですね。
断熱リノベーションに関しては、こちらの記事にさらに詳しく載せておりますので、ぜひ参考にご覧ください。
風通しの良い間取りを計画
先ほども説明したように、昔からの日本家屋は非常に風通しが良い建物がほとんどで、壁が少なく、ふすまを全て開けるとワンフロアになり、自然と風が吹き抜けるようになっています。
現代の建物では、なかなか難しい部分もあるのですが、窓やドアの位置や方向によって大きく変わってくることも多いです。
住まいづくりをしていく中で、ぜひ『風の通り方』も考えながら、ご相談を進めていただけると、格段に快適な住まいになります。
日射を防ぐ住まいの工夫

太陽の日差しや地表面からの照り返しの日光は、屋内の気温を大きく左右します。特に夏は、暑さの70%が窓から入ってくると言われる程。
外からの光を遮るための方法として、庇や軒を広めに設計していただくこともひとつです。日本では季節によって太陽の高さが変わり、日光の入り方も変わってくるので、冬シーズンのことも計算に入れながら計画していただくのがおすすめ。
また、自然がお好きな方は、日陰になるようにグリーンの植栽を植えていただくのも良いですね。
日差しをしっかりと遮り、室内に日射が入り込まないようにすることで、冷房エネルギーを15〜45%も削減できるとも言われています。
まとめ
熱中症の発生状況から、室内熱中症を予防するために大切な点や、涼しい家のご紹介などをしてきました。
近年の猛暑を考えると、家では無理なく過ごせるようにしたいところですが、電気代が高騰している中、エアコンの使用は控えめに、家の構造そのもので快適に過ごせると良いですよね。
夏涼しい家づくりを実現するためには、構造や設備などで工夫をすることが大切です。
特に断熱性を高める工事では、夏だけでなく寒い冬にも快適に過ごすことができるようになります。ぜひこれから家づくりをされる皆さまは、デザインはもちろん機能面でも満足できる住まいづくりができると良いですね。
この記事のライター

はちとり(株式会社SOWAKA・広報)
◆保有資格:リノベーションコーディネーター
・実績:株式会社SOWAKAで建築業に携わって4年。広報を通じて住まいの知識をお伝えしています。
・一言コメント:ナチュラルな風合いや、古民家のようなアンティークの雰囲気が大好物。3人の子育てを通して感じた、“暮らしのリアルな困りごと”や”小さな疑問”をもとに、住まいづくりに役立つ情報をお届けしています。
名古屋で断熱リノベーションをするならSOWAKA
株式会社SOWAKAは、名古屋市を中心に数多くのリノベーションを手掛けてきました。
木造戸建て、鉄骨造の建物、マンションなど、限定的ではなく幅広い構造の物件を取り扱うことが可能です。また、断熱リノベーションをはじめとする、構造から生まれ変わらせる施工を得意としています。
リノベーションは建物の状況、お客様のご希望、タイミング等によって、ひとつとして同じものはありません。
お客様に降り添いながら、様々な建物の構造にも適切に対応ができるSOWAKAならでは提案力で、リノベーションを通じてお客様の夢を叶えるお手伝いをいたします。


