【名古屋版】予算500万円でどんなリフォームができる?専門家が質問にお答えします!
執筆監修:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)
執筆監修:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)
住まいのリフォームやリノベーションって、人生で何度もするものではないから予算感やできる事が良く分からない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな方に向けて予算500万円でどんな事ができるのかについて詳しく解説します。リフォームやリノベーションの参考にしてみて下さい。
※お住いの場所によって、工事にかかる費用などにも違いが出てくるので、この記事ではあくまでも当社が実際に施工を行う名古屋周辺エリアの実績をもとに書いています。
Q:一戸建てのフルリフォームは500万円でできる?
A:一戸建てのフルリフォームを500万円で実現するのは、正直なところかなり難しいと言えます。
一般的な一戸建ての全面改装には800万円から2,500万円程度の予算が必要となります。
ただし、築年数や家の規模、現状の劣化状態、そして何をもって「フル」リフォームとするかによって、必要な予算は大きく変わってきます。例えば、30坪程度の比較的小規模な住宅で、構造部分に大きな問題がない場合、500万円でも見た目や機能性を大きく改善することは可能です。
気を付けたいポイント
近年、物価や人件費の上昇に伴い住宅建築にかかる費用も全体的に上昇傾向にあります。
さらに、2025年3月に施工される法改正によってリフォーム費用の大幅な値上げが予想されていますので、ご検討中の方は、ひとまずお問い合わせだけでも先に済ませておく事をおすすめします。
Q:500万円の予算だと、どんなリフォームができる?
A:エリア別の費用の目安をご紹介します。
キッチン、お風呂、トイレなどの水回り設備の一新(150~250万円)
水廻りの設備を新しいものに入れ替えるリフォームにかかる費用は、採用する設備によって異なります。
また、ひとくちに「キッチン」と言っても色々なタイプのものがありますので、カタログなどを見ながら予算やスペースに合う設備を選ぶことでコストを管理しましょう。
床材・壁紙の全面張替え(80~120万円)
床や壁を変えるだけでもお部屋の雰囲気はかなり違って見えます。
最近はセニベトンの床材や、アクセントクロスなどでホテルライクな部屋づくりを楽しむ方も増えてきています。
断熱工事(50~200万円)
断熱工事は断熱レベル及び範囲、工法などによってかなり金額に開きが出ます。
適切な工事をしないと、せっかく断熱工事をしても思ったような効果が得られないという事にもなりかねないので専門家に相談しながらどのような工事をするのかを決定する事をおすすめします。
- 参考記事:断熱リフォームのすすめ(愛知編)
収納設備の改善(30~200万円)
どこにどんな収納設備を追加するのか、によって費用が大きく異なります。
例えば、キッチン設備を入れ替える際に、収納力の大きい吊戸棚を設置する場合はそれほど大きな予算はかかりませんが、オープンキッチンにしてパントリーを設置するというようなリフォームだと200万円ぐらい必要になります。
照明器具の交換(20~30万円)
近年では、天井に埋め込むタイプの照明が一般的になりつつあります。
また、リモコンで操作できるタイプや、照明の色味や明るさを自由に設定できる照明などもあり、選択肢の幅が広がっています。
それほど多くの費用を掛けなくても交換可能で、部屋の明るさや雰囲気を直接的に変える事ができる工事のひとつと言えます。
玄関ドアの交換(40~100万円)
玄関ドアの交換は、防犯性を高めたり、断熱性を高めたり、電子錠で開閉可能にして利便性を高めたりと多くのメリットが得られるます。
また、デザイン性の高いドアに交換する事で、外から見た住まいの雰囲気が変わるというメリットもあります。
地域によって防火戸としなければならないので、同じデザインでも20万円ぐらい性能によって価格が異なります。
気を付けたいポイント
最初から予算の事ばかりを考えるのではなく、まずは叶えたい事を全てリストアップしてみて、工事を依頼する会社の担当者との打ち合わせの際に要望と予算をセットで伝えることをおすすめします。
また、絶対に外せない要望を明確に伝える事で、予算内でベストなプランを立てる事が可能になります。
Q:500万円の予算で優先するべきリフォームは?
A:限られた予算で最大の効果を得るために、以下の優先順位での実施がおすすめです。
緊急性の高い劣化対策が最優先
- 雨漏りの修繕
- 配管の取り替え
- 床の補強など構造に関わる部分
など、現時点で不具合が生じている部分があるのであれば、まずはそれらを修繕する事が最優先となります。
省エネ・光熱費削減につながる工事も優先度高め
- 断熱工事
- 窓サッシや玄関扉の交換
- 給湯設備の更新
- 太陽光パネルの設置
- 照明器具の付け替え
工事をする事で、ランニングコストの節約につながる部分に費用をかけるのも大切な事です。
生活の質を高める改装は予算と相談
- キッチンの改装
- 浴室・洗面所の改装
- 収納スペースの改善
- 壁紙や床材の張り替え
これらは、基本的な住まいの性能を整えたうえで、どの設備にどの程度の費用をかけるのかという視点で選択するべき要素と言えます。
限られた予算でリフォームの価値を最大化するためには、優先順位付けがとても重要になります。
Q:500万円台の一戸建てリフォーム事例を知りたいのですが
A:500万円台の一戸建てをリフォームした場合、具体的にどのような工事ができるのかについて実際の事例をご紹介します。
事例1:築15年、30坪の2階建て木造住宅(予算480万円)
- 玄関ドアを断熱仕様のものに交換
- キッチンを開放的なL型への変更し、壁紙を張り替え
- 洗面所の設備を入れ替えて、壁紙を張り替え
- 全室LED照明への交換
事例2:築35年、50坪の木造平屋(予算520万円)
- 屋根・外壁の塗装工事
- 断熱工事(屋根・外周壁)
- LDKのみ断熱仕様の窓への付け替え(カバー工法)
- 室内の壁紙の張り替え
Q:リフォームを500万円台で抑えるために注意するべき事は?
A:優先順位付けと時期の選定に気を付けると良いです
予算内でリフォームを実現するためのポイントとしては、繰り返しになりますが、まずは優先順位付けが最重要になります。
事前に優先順位付けをする
- 必要な工事と希望する工事を明確に区分する
- 構造に関わる重要な修繕を優先する
気を付けたいポイント
工事の優先順位付けについては、家族間でしっかりと話し合う事も大切です。打ち合わせの際に、旦那様と奥様の要望が全く異なり、話がまとまらずに終わるケースも少なくありません。
予算は絶対に超えられないのか、絶対に実施したい工事はなになのかをすり合わせておかないと、せっかく費用をかけてリフォームしたのに家族間の関係が悪くなるような結果にもつながりかねないので注意が必要です。
適切な時期を選ぶ
- 複数の工事をまとめて行い、諸経費を抑える
気を付けたいポイント
工事の時期選びは、「台所が水漏れして今すぐに工事をしないと日々の暮らしに支障が出る」というような緊急性の高い場合を除いては、計画的に選ぶのがおすすめです。
工事の規模にもよりますが、工事期間中は自宅に工事スタッフが入り、落ち着かない環境になる事もあり得ます。
奥様の産後すぐの時期や受験を控えたお子様の受験前など、絶対に避けるべきタイミングは可能な限り回避したほうが良いです。
既存設備を活用する
- 配管位置を活かした水廻りのレイアウトを採用する
- 使える建材は可能な限り再利用して、材料費を抑える
気を付けたいポイント
リユース可能な建材も、廃棄前提で壊してしまったら再利用はできなくなります。
既存設備を活かしたリフォームについては、事前に相談しておく事が重要です。
見積りの精査
- 見積りを取得して、内容を精査する
- 工事内容の詳細を確認し、不明点は質問する
気を付けたいポイント
予算の事にばかりこだわり過ぎて、工務店に無理な価格交渉を行ったり、大量の相見積りを取ったりするのはお勧めしません。
工事担当者とのコミュニケーションによっても、得られる満足度には差が出る事は往々にしてあり得ます。
工事を請け負う会社もプロですので、事前に「予算内に収める事」「要望を叶える事」のどちらが重要なのかを確認してから提案をしてくれるはずです。
信頼できる工務店としっかりとコミュニケーションを取って、納得できるリフォームプランを立てるようにすることが最も大切です。
Q:500万円台のリフォームで暮らし方は変えられる?
500万円台のリフォームでは、くらし方そのものを変えるのは難しいですが、以下のような暮らしの質の向上は十分に期待できます。
省エネ性能・断熱性能の向上
- 断熱効果による光熱費の削減
- 結露防止による住環境の改善
家事効率の改善
- 動線を考慮したキッチンレイアウト
- 収納スペースの最適化
すまいの快適さ・安全性の向上
- 採光・通風の改善
- バリアフリー化による安全性向上
- 防犯対策による安全性向上
まとめ
予算500万円以内で、一戸建ての住まい全体をフルリフォームする事は難しいと言えます。
でも、優先順位付けをしっかりと行い、予算配分や工事時期を選ぶ事で快適な暮らしを叶えるリフォームを実現する事は可能です。
工務店や工事を請け負う担当者としっかりとコミュニケーションを取り合いながら、家族みんなが満足できるリフォームを実現して下さい。
株式会社SOWAKAでは、名古屋市内で数多くのリノベーション工事を手掛けた実績があります。名古屋をはじめ、愛知県内でリフォーム・リノベーションをご検討中の方はお気軽にお問い合わせください。

リノベーションの
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リノベーションに関するご相談などがありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

杉山幸治
杉山幸治(株式会社SOWAKA)
一級建築施工管理技士、監理技術者、第二種電気工事士、石綿含有建材調査者、リノベーションコーディネーター
1977年生まれ、瀬戸市育ち。建築工学科を卒業後、ゼネコンに入社。ビルやマンションの現場監督としてキャリアをスタートし、気がつけば業界歴は27年を超えました。
20代はコンクリートと鉄骨に情熱を注ぎ、現場で学びながら知識と技術を深める日々。30代になると、コンクリートによる社寺建築を木造で接合させる増築など難易度の高い現場も経験し、構造の違いを超えて多様な現場をディレクションできる力を培いました。また、重量鉄骨造の建物は断熱性能がとても低いことに着目し、セルロースファイバー材を吹き込むための工法と工程管理を生み出してSOWAKAで標準仕様化として提案をしています。
現在は、中古住宅のリノベーションを軸に、理想の住まいを実現するための提案と施工を担う責任者として活動しています。
趣味はアウトドア、散歩、硬式テニス