空間のイメージを左右する室内ドア リノベーション事例を交えながら選ぶポイントを解説
執筆:はちとり(株式会社SOWAKA・スタッフ)
執筆:はちとり(株式会社SOWAKA・スタッフ)
床や壁の次に、住まいの中で広い面積を占める室内ドア。ドアの色や素材、デザインによって、お部屋の印象が一気に変わります。
また室内ドアには、空間を分けてプライバシー確保の働きをしたり、空間を快適にするなど、住まいにおける重要な役割もあります。
この記事では、実際のリノベーション実例を紹介しながら、室内ドアの種類や選ぶポイントなどを解説していきます。毎日使う建具だからこそ、ぜひ参考にしていただき、住まいづくりのお役に立てたらと思います。
- 1. 室内ドアの種類
- 1.1. 開き戸
- 1.2. 引き戸
- 1.3. 折れ戸
- 2. 室内ドアを選ぶ際の3つのポイント
- 2.1. ポイント➀ 色
- 2.2. ポイント➁ デザイン
- 2.3. ポイント③ 素材
- 3. 失敗しない室内ドアの選び方
- 3.1. 住まいのコンセプトに合わせる
- 3.2. お部屋の壁や床に馴染ませる
- 3.3. 住まいのアクセントにする
- 3.4. 暮らし方に合わせる
- 4. 実際のリノベーションで採用された室内ドアをご紹介
- 4.1. 優しい空間に馴染んだ室内ドア
- 4.2. くすみブルーが北欧調を演出する空間
- 4.3. 家具やインテリアと統一感を持たせた扉
- 4.4. ハイドアでスッキリスマートな空間
- 4.5. 和の落ち着いた雰囲気を感じる扉
- 4.6. それぞれがセルフカラーの扉をセレクトした住まい
- 4.7. 住まいの歴史を引き継いで再利用する
- 5. 名古屋でリノベーションをするならSOWAKA
室内ドアの種類
室内ドアは、大きく3タイプに分けることができます。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるので、ご自身のイメージや暮らし方に合わせてご検討いただくと良いですね。
開き戸

扉を向こう側に押したり手前に引いたりする、最もベーシックな形の開き戸。
一般的には一枚の扉を開閉する“片開き”のものが多く使われますが、2枚の扉を両側に開ける“両開き(親子ドア)”タイプの物もあります。
扉がぴったりと閉まるため、気密性・防音性・遮光性などの機能面で優れているのがメリット。
ただ、扉を前後に開け閉めする分のスペースが必要となるため、空間の広さやレイアウトによっては使いづらくなってしまう可能性があります。
引き戸

引き戸は、扉を横にスライドさせることで開閉をするタイプの扉です。昔から日本家屋のふすま等で使われてきた形ですが、現代の扉でも同じ原理で採用されています。
前後のスペースがいらない為、限られた場所でも設置が可能。
また、開け閉めに必要な動きや力も最小限でできることから、小さなお子様や車いすを使っている方でも比較的使いやすく、バリアフリーに適した扉です。
一方、扉の上下や壁との間に隙間ができるため、気密性は開き戸に比べると少し劣ってしまいます。
折れ戸

扉と扉が蝶番などで繋がっており、開いたときに折りたたんだ形になる扉。
ウォークインクローゼットなどの収納スペースや、お風呂の扉などでよく使用されていますね。
省スペースで開閉でき、間口も広く取れるためる、場所を選ばずに設置することが可能です。
室内ドアを選ぶ際の3つのポイント
インターネットなどで調べてみると、多くのメーカーから、様々なテイストや大きさの室内ドアが発売されているのが分かります。
どんな部分をポイントとして選んでいけば良いのでしょうか。

ポイント➀ 色
壁や床に次いで、住まいでの面積が大きいドア。ドアの色は住まいのコーディネートとしても重要なポイントになります。
部屋は、3色に統一すると部屋がすっきりと見えると言われています。床や壁に馴染ませても良いですし、差し色として選んでいただくのもおしゃれですね。
ポイント➁ デザイン
ガラスが入っている物やモールディングが入ったものなど、ドアのデザインにも多くのパターンがあり、お部屋の雰囲気を大きく左右します。
小さな部分ですが、ドアノブの色や種類もセレクトできるものが多く、アンティーク調やスタイリッシュな物などお好みの物を選んでいただけます。
また、部屋の天井と同じ高さの「ハイドア」も、住まいがスッキリと洗練される印象になり、採用される方も多いです。
ポイント③ 素材
室内ドアの素材には、木や金属、樹脂シートを使ったものなどさまざまなものがあります。
木製のドアは温かみが感じられますね。天然木を使用したタイプは年月と共に味わいが出てきますし、木目調のシートを貼った化粧合板のタイプは比較的安価で多くのバリエーションの中から選ぶことができます。
また、金属製の扉はスタイリッシュな印象になりますし、ガラスがはめ込まれたドアは開放的で明るい空間を演出してくれます。
同じ色合いでも、光によって見え方が違ったり、手触りや風合いが変わってくるので、時間があれば実際にショールームに行って見ていただくこともオススメです。
失敗しない室内ドアの選び方
住まいのコンセプトに合わせる

シンプル、ナチュラル、ホテルライク、和モダン、北欧スタイル・・・想像している住まいのイメージに合わせたドア選びをしていただくのが大切なポイントです。
例えばナチュラルな住まいには、無垢材を使った自然の風合いが強いドアを。
ホテルライクな住まいには、ダーク系でかっこいい色味のドアを取り入れたり、高さのあるハイドアを採用しても素敵です。
和モダンな空間には、格子状のドアを選んでいただいたり、ふすまを連想するような引き戸を取り入れても良いですね。
今はインターネットで検索していただくとたくさんの事例が出てきますので、参考にしていただくのもひとつの方法です。
お部屋の壁や床に馴染ませる

一番ベーシックに空間づくりを考えるのであれば、部屋の壁か床に色味を合わせて選ぶのがおすすめ。
実際に住み始めてみると、ソファやカーテン・雑貨小物などで多くの色味が入ってきます。大きな面積を占める部分の色をあらかじめおさえておくことで、空間がごちゃつかず、すっきりした印象にする効果があります。
床や壁が明るい色味の場合は、同系色のドアを選んでいただくと空間を広く見せることができるので、コンパクトなお部屋には明るい色を選んでいただくのもテクニックのひとつです。
住まいのアクセントにする

少し個性的なお部屋を演出したい方は、扉を主役に、差し色のアクセントカラーを選んでいただくのもオススメ!
明るいカラーは勇気がないという方も、白い壁に落ち着いたブルーや、グリーン、ブラックなどの色味を入れるだけで、空間がぐっと引き締まり、一味違った空間を演出することができますよ。
暮らし方に合わせる

前述したように、室内ドアにはいくつか種類があり、それぞれで特徴が変わってきます。
プライベート感を出したい寝室や個室には開き戸、スペースがあまり取れない部分には引き戸など、その場所・空間に合ったドアを選んでいただくのが、快適な住まいづくりに繋がります。
また、今は様々な機能があるドアが多いです。
小さなお子さんがいる家庭では「ソフトクローズ」の機能が付いていると指はさみの心配が軽減されますし、ペットのいるご家庭はペット専用の小さな出入り口があるドアを選んでいただくのも良いかもしれません。
実際のリノベーションで採用された室内ドアをご紹介
優しい空間に馴染んだ室内ドア

床と同系色の、明るいナチュラルな木目調のドアをセレクトした事例。明るいカラーは住まいをより広々と見せてくれる効果があります。
こちらのお住まいではキッチンカウンターも同一カラーを使っているので、一層統一感が出ますね。
扉は両開きタイプの親子扉を採用しているので、大きな荷物を運び入れたい時にも余裕で通ることができそうです。
くすみブルーが北欧調を演出する空間

真っ白な壁と優しいナチュラルカラーの床に、アクセントとしてくすみブルーの扉をセレクトしたお住まい。
近年人気の落ち着いたくすみカラーは、甘くなり過ぎずに可愛らしい空間を演出してくれます。
玄関から繋がる扉は片開きタイプ、ランドリールームに繋がる扉は横すべりの引き戸を設置しました。
▶室内ドア:Panasonic「ベリティス」/ブルーグレーオーク柄/引手オフブラック
家具やインテリアと統一感を持たせた扉

壁と床がホワイトカラーで統一されたお住まい。
空間を引き締めるように扉は濃いブラウンをセレクトし、カーテンやダイニングテーブルもそれに合わせて一体感のあるカラーコーディネート。
明るい光が入り込みながらも、シンプルでスタイリッシュな空間となりました。
ハイドアでスッキリスマートな空間

ご家族の後ろに移っている黒い部分は壁ではなく、実は部屋や収納スペースに繋がる扉。天井まで高さのあるハイドアを採用しています。
閉めてしまうと、まるで壁のようにすっきりとした見た目になり、住まい空間がスマートな印象になります。
和の落ち着いた雰囲気を感じる扉

和室に合わせて、細長く縦に揃った木のラインが映える扉をセレクトした住まい。和の空間に直線を多く取り入れることでモダンな雰囲気も演出することができます。
床材とカラーも合わせているのもポイントで、空間全体の統一感がでます。
引き戸はバリアフリー効果もありますし、まるで昔ながらのふすまを想像するような温かなイメージが持てますね。
それぞれがセルフカラーの扉をセレクトした住まい


1階の扉はダークグレーでまとめて落ち着いた雰囲気(写真左)
2階は、お子様が選んだパステルのセルフカラーの扉(写真右)
住まい全体を統一するのではなく、あえてそれぞれが好きな扉とカラーを選びました。
『自分が選んだ扉』はより住まいへの愛着を与えてくれ、これからの生活にさらに彩りを与えてくれそうですね。
住まいの歴史を引き継いで再利用する

お客様から既存建物の引き戸を使用したいとの要望があり、調整を行い再利用した事例。(写真左の引き戸)
築40年を超えた中古住宅の引戸は、経年変化でひどく歪みがありましたが、新品にはない味わいのある扉になりました。
全てを新しく替えるのではなく、ある物を再利用して住まいの歴史と共に暮らしていく、リノベーションならではの形です。
名古屋でリノベーションをするならSOWAKA
株式会社SOWAKAは、名古屋市を中心に数多くのリノベーションを手掛けてきました。
リノベーションは建物の状況、お客様のご希望、タイミング等によって、ひとつとして同じものはありません。
お客様に降り添いながら、様々な建物の構造にも適切に対応ができるSOWAKAならでは提案力で、リノベーションを通じてお客様の夢を叶えるお手伝いをいたします。

リノベーション事例
名古屋市内を中心に、愛知県全域で多数のリノベーション事例があります。
是非ご覧ください。