リノベーションで解決する名古屋の住宅問題

名古屋の住宅問題には、空き家問題や住宅価格の二極化などの問題が顕在化しています。

そんな課題を解決するためのひとつの手段として、中古住宅をリノベーションするという選択肢へのニーズが高まっています。

この記事では、リノベーションで解決できる名古屋の住宅問題について考えてみたいと思います。

名古屋の住宅問題について

名古屋で近年問題視されている住宅問題としては、いくつかのパターンがあります。主には以下のようなものが挙げられます。

空き家問題

空き家問題は名古屋市に限らず全国的な問題ですが、特に人口減少と高齢化の影響で空き家が増加しています。

平成30年の調査によると、名古屋市内の空き家は約15万7千戸(住宅全体に占める割合は12.7%)と推定されています。(名古屋市 空 家 等 対策計画より)

市内でも特に中心部から離れた地域では空き家が増えており、放置された空き家は景観の悪化や治安の低下、さらには防災上の問題を引き起こすことがあります。

そんな空き家問題に対する取り組みとして、名古屋市では名古屋市空き家活用支援事業費補助金という補助金制度も用意されています。

高齢化と住宅の老朽化

名古屋市でも高齢化が進んでおり、特に昭和時代に建てられた住宅の老朽化が進行しています。

老朽化した住宅に住む高齢者が増えており、住み替えやリフォームのニーズが高まっていますが、経済的な負担やリフォームの必要性を感じない住民も多く、対応が進まないケースが見られます。

住宅の供給過剰と需給のミスマッチ

名古屋市では都心部を中心に新築マンションや住宅開発が進んでいますが、住宅供給が多くなり、地域によっては供給過剰の状態に陥っているケースもあります。

一方で、ニーズに合った間取りや価格帯の賃貸住宅や、コンパクトな戸建て住宅の数が足りていないこともあり、需給のミスマッチが問題化しています。

住宅価格の二極化

名古屋市内の住宅価格は、都心部と郊外で大きく異なります。名古屋駅周辺などの中心部では住宅価格が上昇しており、特に若年層やファミリー層にとって、手が届かない価格帯になりつつあります。これは、再開発プロジェクトや大企業の本社移転などが進んだ結果、地価が高騰しているためです。また、交通の利便性や生活インフラの充実度も、都心部の魅力を高めている要因となっています。

一方で、郊外では住宅価格が抑えられているものの、交通アクセスの悪さやインフラ整備の遅れなどが原因で需要が低迷しています。例えば、車がないと生活が不便なエリアや、鉄道やバスの便が限られている地域では、物件の価格が安くても魅力が薄れがちです。これにより、郊外の住宅価格は上昇が緩やかで、若い世代にとっても手頃な選択肢がある一方、生活の利便性を考慮した場合、選択肢として敬遠されるケースも少なくありません。

このように、名古屋市では住宅価格が二極化しており、今後もこの傾向は続くと予測されています。

賃貸住宅の質と需要

名古屋市内の賃貸住宅では、質の低い物件が一定数あり、住み心地や設備の面で課題があります。

特に古い物件では、耐震基準やバリアフリーの基準を満たしていない場合が多く、幼い子供がいる若い世代や高齢者が住むのに不便さを感じることが多いです。

一方で、都心部や人気エリアでは賃貸需要が高いため、家賃が上昇しやすく、希望する予算内で賃貸物件を見つける事が困難なケースが増えています。

都市再開発に伴う地価の上昇と交通アクセスの問題

名古屋市内の主要エリア、特に名古屋駅周辺や栄などの中心部では、商業開発やオフィスビルの建設が進み、地価の上昇が顕著です。再開発プロジェクトが進行中であり、新しいショッピングモールや高層マンションが建設されることで、これらのエリアに居住や投資を希望する人が増え、地価の上昇を加速させています。こうした動きにより、都心部での住宅購入や賃貸が難しくなり、価格競争が激化しています。

一方で、郊外や交通アクセスが不便な地域では地価が低迷しており、住宅需要も低調です。名古屋市の郊外に位置する地域では、主要な公共交通機関が限られているため、車が主な移動手段となっており、公共交通インフラが十分に整備されていない地域では特に、若年層や高齢者にとって住みづらい環境となっています。このため、交通手段の選択肢が少ない地域では、住宅需要が鈍化し、地価も抑えられる傾向があります。

さらに、郊外であっても名古屋市の中心部へのアクセスが便利な地域、例えば名鉄や地下鉄沿線のエリアでは比較的地価が安定している一方、バスや車に依存するエリアでは、交通インフラの遅れが大きな課題となっています。特に鉄道の駅が遠い地域や、バスの本数が少ないエリアでは、生活の利便性が低く、住宅購入をためらう人が多いのが現状です。

このような背景から、名古屋市全体で見た場合、地価は中心部で高騰する一方、郊外ではインフラ整備の遅れが住宅需要の停滞を引き起こし、地域ごとの二極化が進んでいます。今後、名古屋市の都市開発計画がどのように交通アクセスを改善していくかが、住宅需要の動向に大きな影響を与えることが予想されます。

名古屋の住宅問題の解決策として注目を集めるリノベーション

名古屋の住宅問題は、空き家問題や住宅供給のミスマッチ、老朽化した住宅の問題など、地域ごとに異なる特徴を持っています。また、高齢化や都市再開発によって、新たな住宅需要と課題が浮き彫りになっています。

これらの住宅問題を解決するための選択肢として、「リノベーション」へのニーズが年々高まっています。

住宅の供給過剰と需給のミスマッチや、住宅価格の二極化といった問題を解決するために、中古マンションや中古戸建を買い上げて内装を現代風にリノベーションして再販する不動産屋が増えています。

これは、「便利なエリアで、手が届く物件を購入したい」というニーズを叶える手段として需要が高まりつつあります。

また、近年では相続した中古住宅に「断熱リノベーション」や「耐震リノベーション」を施して住宅性能を高めたうえで、間取りや内装を全て変えて暮らしに沿った住まいへと生まれ変わらせるフルリノベーションについてもニーズが高まっています。

雑誌やテレビ番組でも、リノベーション特集が組まれる機会が増えており、新築ではなく敢えてリノベーションを選択するという方も増えてきています。

名古屋のリノベーション事例

名古屋市内で、実際にリノベーションを通じて住宅問題を解決した方の事例をいくつかご紹介します。

空き家となっていた実家をフルリノベーションした事例1

名古屋市東区の3階重量鉄骨造・実家フルリノベーション

空き家となっていた、ご主人のご実家である戸建て住宅。

1日中暗いという改善点をクリアする為に、1階から3階まで大胆につながる吹き抜けをつくり、大規模なスケルトン階段の架け替えを計画。家族の愛犬2匹にとっても最高の空間となりました。

空き家となっていた実家をフルリノベーションした事例2

名古屋市熱田区の3階重量鉄骨造・フルリノベーション

1階は工場、2.3階が住居として建てられていた重量鉄骨の空き家をご両親から譲り受け、ご夫婦で老後までゆっくりと暮らせる様にフルリノベーションを行いました。

バリアフリーを意識しながらの設計。快適さを重視して断熱性能にもこだわりました。

まとめ

名古屋の住宅問題は、空き家の増加や老朽化した住宅の対策、供給過剰や価格の二極化など、地域特有の課題が複合的に絡み合っています。

今後は、これらの問題に対して適切な対応策を講じることで、地域の持続可能な発展を目指すことが重要です。特に高齢化や都市再開発に伴う影響を考慮し、居住者が安心して暮らせる環境を整備する必要があります。

株式会社SOWAKAは、名古屋でリノベーション事業を展開する企業として、名古屋市内に多数ある空き家や老朽化した住宅を、より快適で持続可能な住まいに生まれ変わらせることで、地域全体の魅力向上に貢献していきたいと考えています。

リノベーションをご検討の際には、是非お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

sugiyama

杉山幸治(株式会社SOWAKA)

一級建築施工管理技士

1977年生まれの瀬戸市育ち。建築工学科を卒業後ゼネコンに入社し、ビルやマンション建築の現場監督からはじまり、気付けば業歴27年。
20代はコンクリートと鉄骨に情熱を注ぎながら資格試験の勉強に没頭し、30代はコンクリートの社寺建築と木造での増築という難易度の高い現場などを経験しているうちに、どんな構造でもディレクションができるようになりました。中古住宅のリノベーションを軸に理想の住まいづくりをする会社の責任者として活動しています。

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