中古マンションの耐用年数と寿命の違いは?中古マンションを快適な住まいに変えるためのリノベーションのポイント

この記事は、こんな方におすすめ

  • 中古マンションを新たに購入してリノベーションを検討中の方
  • 検討中の中古マンションが「買い」かどうか判断しかねている方 など

この記事では、中古マンションを購入してリノベーションをしようかな、とお考えのみなさんに知っておいて欲しい「法律上耐用年数」と「寿命」のふたつの概念と、寿命が長いマンションを見極めるポイントを詳しくご紹介します。

せっかく中古マンションを購入してリノベーションしたのに、あっという間に住めなくなってしまった…と言うような事態にならないように、物件選びの際の判断材料にしていただければと思います。

法律上耐用年数と寿命の違い

マンションの耐用年数を考える時、「法律上耐用年数」と「寿命」との二つの概念を理解する必要があります。具体的には以下のように定義されています。

法律上耐用年数と寿命の違い

  • 法律上耐用年数:法律で定められた建物の価値が持続する年数
  • 寿命:実際にその建物が実用可能な年数

つまり、耐用年数イコール寿命という訳ではないという事を理解しておく必要があります。

法律上耐用年数とは

マンションには法律上耐用年数というものが定められています。マンションは固定資産にあたり、建築された後は毎年、減価償却によって資産価値が徐々に下がっていき、最終的には償却がゼロになって法律上の資産価値がなくなります。

耐用年数は物件の構造によって年数が定められています。マンションは鉄骨・鉄筋コンクリートで造られている事が多く、一般的なマンションの法律上耐用年数は47年となります。(下の表参照)

法定耐用年数の一例

構造・用途耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート47年
木造・合成樹脂造のもの22年
木骨モルタル造のもの20年
れんが造・石造・ブロック造のもの38年
国税庁ホームページより引用(耐用年数、建物/建物付属備品)

まとめ

  • 法律上耐用年数とは、法律で定められた建物の価値が持続する年数
  • ほぼすべてのマンションは築47年が経過した時点で、法律上の資産価値がゼロになる

実際の寿命とは

建物の実際の寿命とは、実際にその建物が実用可能な年数であり、住む人があとどれくらい住むことができるのかを判断する際に用いる数字の事です。

マンションの寿命は建設で使用された建材の質や、メンテナンス等の管理がしっかりとされているのかなどで大きく変わってきます。

法律上耐用年数を超えても、非常に長い期間しっかり建っている建物は数多く存在しています。

また、国土交通省の報告書「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」によれば、「RC造建築の寿命は117年」「マンションの寿命は120年で、メンテナンスにより150年まで延びる」ということも書かれています。

これらから分かるように、建物の構造やメンテナンス状況などによって物件の寿命は変わるという事を知っておくと良いでしょう。

まとめ

  • 寿命とは、実際にその建物が実用可能な年数
  • ほぼすべてのマンションは法律上耐用年数を超えても問題なく住み続けられる
  • マンションの寿命は建物の構造やメンテナンス状況、立地条件などによって変動する

ちなみに…

寿命が過ぎたマンションはどうなるのでしょうか?

耐震性に致命的な問題がある場合や、配管の劣化が著しく現状のままで改善を図る事ができない場合など、建物がいよいよ寿命を迎えてしまった場合には、ディベロッパーに売却するか、ディベロッパー主導で立て替えが行われるか、というような選択肢が考えられます。

寿命が長いマンションを見極めるポイント

では、具体的に「寿命が長いマンション」とはどんなマンションなのでしょうか?

これまでに数々のマンションリノベーションを手掛けてきたSOWAKAの設計担当者が、長く快適に暮らす事ができるマンション選びのポイントについて詳しくご説明します。

維持・管理状態が良いかどうか

まずは、マンションの管理が行き届いているかどうかを確認して下さい。

特にエントランスや郵便受け、エレベーターや廊下、駐車場は、マンション住民全員が利用をする共用部分です。ここが適切に管理されているかどうかをしっかりと確認する事で、そのマンションの住民の傾向を読み取る事ができるでしょう。

また、ゴミ捨て場の管理状況も必ずチェックしたいところです。

マンションは通常、管理会社に管理・清掃・メンテナンスを委託しています。もし共有部分の電球が切れていたり、清掃が行き届いていなかったり、郵便受け周辺にチラシなどが散乱している場合は管理が行き届いていないマンションだと判断できます。

このようなマンションは、入居後に様々なストレスを感じる可能性が容易に想像できますので、できるだけ避けたほうが良いと言えるでしょう。

建材が良いかどうか

マンションの建材を判断するための材料の一つとして、建物の材料であるコンクリートの質の良しあしが挙げられます。コンクリートの質はマンションの寿命に大きく影響します。ただ、素人目に見て建材の質の良しあしを判断する事はほぼ不可能でしょう。

ひとつの判断基準としては、全国的に名の通った大手施工会社が建築したマンションはきちんと質が良い建材を使っている傾向にあります。施工会社名は重要事項説明書で記載されているため、確認しておいて損はないでしょう。

また、最近ではインターネットで様々な情報が得られますので、マンション名で検索すると不動産会社のウェブサイトなどで建築会社やその他の情報を得る事も可能です。

実際の検索結果事例

愛知県長久手市のあるマンション名を入れてGoogle検索した結果、得られた情報です。

築年数に加えて、建物構造や施工業者の名前も簡単に調べる事ができました。

建物構造として記載されているRCは、Reinforced Concrete=鉄筋で補強(Reinforced)したコンクリートと鉄筋の複合材料です。 コンクリートの中に鉄筋を埋め込んで、一体になって働くようにしたものです。RC造の法定耐用年数は47年ですが、寿命は100年以上と言われており、実際には47年よりも長期間、快適に暮らすことが可能です。

1994年9月に建てられたRC構造のマンションは築29年経過していますが、まだ法定耐用年数内で資産価値もあり、1981年6月に制定された「新耐震基準(国土交通省)」の要件も満たしていると推測される事から、検討してみる価値ありの物件と判断できるでしょう。

立地環境や地盤が良いかどうか

立地環境は自分が住むうえでの条件を考えてチェックすることが重要です。

「その物件がどの街にあるのか」「都心や最寄駅からのアクセスや距離」「周辺にどんな施設があるか」などといった環境の条件を考えておきましょう。
また、地盤が良いかどうかは大雨や地震、津波など自然災害から起りうる災害に強いという事です。

地盤の強さは地盤調査の「GEODAS(ジオダス)」サイトで調べる事ができますので、是非ご活用ください。

中古マンションをリノベーションしたら、どれぐらい住めるのか?

中古マンションを購入してリノベーションした後、実際に何年住むことができるのかと、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

マンションの物理的寿命は100年以上と言われています。単純計算すると、築30年のマンションの場合あと70年以上住めるということになります。

但し、全てのマンションで70年以上住めるわけではなく、適切な修繕・メンテナンスをして管理状況を維持していくことで建物の寿命を延ばし、少しでも長く快適な暮らしを叶える事が可能になります。

中古マンションをリノベーションしたら、どれぐらい住めるのか?

適切なメンテナンスが施された鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のマンションであれば、建築されてから100年近くは居住する事が可能

ただし、建築資材や環境、その他の様々な要因によって変動するため一概には言えません。

中古マンションを快適な住まいに変えるためのリノベーションのポイント

1. 震性を向上させる

耐久性を考える上で最も意識が必要な点が、「耐震性」です。

地震が日常的に発生する日本では、耐震性を高めるリノベーションを行う事で耐久性も向上させることができます。築年数が古い場合は特に意識したいです。

ただし、耐震性の向上については居室単位でできる事に限りがありますので、建物そのものが耐震構造であるマンションを選ぶのが無難だと言えます。

2. 断熱性を向上させる

断熱性にこだわることも長く暮らせるかどうかに関わってきます。

築年数が古い物件は断熱性が低い、もしくは断熱化されてないことも多く建物が傷みやすい傾向もあります。断熱性が高い住まいは、住宅が傷みにくいだけではないです。夏は涼しく、冬は暖かいといった快適な生活ができるのです。

ただし、断熱材は壁の中や床下、天井裏に入れるため比較的大規模な工事になることを予想しておきましょう。

3. 間取りを改善する

住宅は、常にベストな間取りで設計されているとは限りません。風の通りが悪い間取りになっていると、カビや湿気がこもりやすい空間ができてしまい、知らない間に劣化が進んでいるという事もあり得ます。

リノベーションを機に、「空気の通りが良い間取り」を取り入れるのも寿命を延ばす事に繋がります。

4. 水回りを改善する

水回りは、住宅の中でも最も劣化しやすい場所のひとつです。

マンションなどの集合住宅の場合、排水管などについては個人レベルでどうにもならない場合も少なくありませんが、居室内のキッチンやトイレ、お風呂場や洗面所などの水回りをできるだけ良い状態に整えておくことで、長く快適に暮らす事ができるようになります。

まとめ

  • 耐震性能と水回りの環境整備が重要なポイントと言える
  • 適切なメンテナンスやリノベーションを施す事によって、より長く、より快適に生活を継続する事が可能

まとめ

中古マンションの耐用年数と寿命の違いや、中古マンションを快適な住まいに変えるためのリノベーションのポイントについてご紹介しました。

中古マンションの購入にあたっては、知っておかないと損をする事がたくさんあります。

特にリノベーションを予定しているのであれば、購入前にリノベーション業者を決めてから、物件購入前にアドバイスをもらえる体制で進めるのがおすすめです。

当社でも、お客様から「購入しようと思っている物件があるけど、契約前に一度一緒に観て欲しい」というご依頼を受けて、内見に同行して、リノベーションプランが実現できそうかどうかアドバイスする事もあります。

一度購入すると、長い付き合いとなるお家選びで失敗しないように、事前にしっかりと情報収集しつつ、専門家のアドバイスなども参考にして夢のマイホームを手に入れて下さい。

尾張旭の株式会社SOWAKAでは、物件購入前からのリノベーションのご相談も承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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