和と北欧の融合。ジャパンディスタイル(Japandi Style)の魅力に迫る
監修:坂本真由(株式会社SOWAKA・代表)
監修:坂本真由(株式会社SOWAKA・代表)
日本の伝統美と北欧の機能的なデザインが見事に調和する「ジャパンディスタイル」は、国内外で注目を集めるライフスタイルのひとつです。侘び寂び(わびさび)の精神やシンプルさ、素材の美しさを大切にしながら、機能性やモダンなエッセンスを取り入れたデザインが特徴です。
忙しい現代社会において、心を落ち着ける空間を求める人々に支持されているジャパンディスタイルの魅力とは何なのか?その背景やインテリアのポイント、取り入れ方を解説し、日々の生活に和の美しさを取り入れるヒントをお届けします。
- 1. ジャパンディ(Japandi)スタイルとは?
- 1.1. ミニマリズムと機能性を重視したスタイル
- 1.2. 自然素材を多用
- 1.3. ソフトで落ち着いたトーンの色味
- 1.4. エレガンスとシンプルさが共存
- 1.5. 自然とのつながり
- 2. ジャパンディスタイルのバックグラウンド
- 2.1. 2つの異なるスタイルの融合
- 3. ジャパンディスタイルを取り入れる際のポイント
- 3.1. 自然素材を取り入れる
- 3.2. シンプルで機能的なデザインのインテリアを取り入れる
- 3.3. 中間色や自然色を基調としたカラーで統一する
- 3.4. 空間の広がりと自然光を活用する
- 3.5. 自然を感じさせる要素を追加する
- 3.6. 調和とバランス
- 3.7. 温かみのある照明
- 4. ジャパンディスタイルに関する電子書籍
- 5. ジャパンディスタイルの家具オンラインショップ
- 6. まとめ
ジャパンディ(Japandi)スタイルとは?
Japandiは、日本と北欧の要素を組み合わせたインテリアデザインのスタイルです。Japandi という言葉は、Japan と Scandi を融合させたもので、この2つの異なる、しかし相補的なデザイン哲学をルーツとしています。ジャパンディスタイルの特徴は以下の通りです。
ミニマリズムと機能性を重視したスタイル
ジャパニーズスタイルもスカンジナビアスタイルも、ミニマリズムと実用性を重視しています。
Japandiはすっきりとしたライン、すっきりとしたスペース、そして機能性を最大限に高めながら視覚的な統一感を持たせるといったデザインを好みます。
自然素材を多用
Japandiは木、竹、麻、石などの自然素材を多用しています。これらの要素は暖かく、大地のような雰囲気を作り出します。
スカンジナビアデザインでは一般的にパイン材やオーク材のような明るい木材が使われますが、日本のインテリアではウォールナットのような濃い色の木材が好まれることもあります。
ソフトで落ち着いたトーンの色味
ジャパンディスタイルで取り入れられる色味としては、ベージュ、グレー、クリーム、ライトブラウン、オリーブブラウンなど、ソフトで落ち着いたトーンになります。
スカンジナビアテイストを強めるなら白やライトグレーのようなクールな色調を多く加えます。和のテイストを強めたいなら、ダークブラウンやチャコールグレーのような深みのある色調をアクセントカラーとして取り入れます。
エレガンスとシンプルさが共存
ジャパンディスタイルでは、過剰な装飾を避け、エレガントでバランスの取れたシンプルなデザインが取り入れられます。
インテリアのアクセントとして観葉植物や陶器のフラワーベースなどを用いたり、部分的に畳のような質感のラグを敷いたりしますが、過剰に飾る事はなく最小限にとどめるのが大原則です。
また、全体的に家具の高さが低めに設定されているのもジャパンディスタイルの特徴のひとつと言えます。
自然とのつながり
自然は日本と北欧の哲学の中心です。ジャパニーズ・インテリアには、屋内の植物、自然光、屋外を連想させる質感がよく取り入れられます。障子や襖、大きな窓を使うことで、自然の穏やかさや素朴さを取り入れる工夫がされています。
ジャパンディスタイルのバックグラウンド
日本の影響:日本のデザインは、不完全さや無常の中に美を見出す「わびさび」や、シンプルさや静けさを重視する「禅」といった古くからの伝統に根ざしています。ジャパニーズモダンと呼ばれる現代の日本のインテリアは、ミニマリズム、自然素材(木や石など)、屋内と屋外の調和を重視します。障子、低めの家具、アースカラーといった和の伝統的な要素は、落ち着きと瞑想的な雰囲気を作り出すためによく使われます。
スカンジナビアの影響:スカンジナビアデザイン、特にヒュッゲとラーゴムのコンセプトは、居心地の良さと機能的なアプローチで知られています。20世紀半ばに誕生したこのデザインは、実用性、明るさ、快適さに重点を置いています。ライトウッド、ニュートラルカラー、ソフトなテキスタイルを使い、機能的で温かみのある、魅力的でシンプルな空間を作り出しています。すっきりとしたラインと整然と整えられた空間は、スカンジ・デザインの重要な側面であると言えます。
まめちしき
ヒュッゲ(Hygge)とは、デンマーク語で「居心地がよい空間や時間」、「小さなことに幸せを感じること」を意味する言葉です。デンマーク人の暮らしに対する心のあり方を表し、デンマークを中心にフィンランドやスウェーデンなど北欧諸国で大切にされています。
ラーゴム(Lagom)とは、スウェーデン語で「多すぎず、少なすぎず、ちょうどいい」という意味を持つ言葉のこと。
2つの異なるスタイルの融合
ジャパニーズスタイルとスカンジナビアデザインは、ごく自然なながれで融合し、進化しました。なぜなら、どちらもシンプルさ、機能性、自然とのつながりを受け入れているといった根本のコンセプトに共通点があるからです。居心地の良さと機能性を重視するスカンジナビア・デザインと、ミニマルな美を大事にする日本デザインの融合は必然的な流れだったのかも知れません。
21世紀に入りよりグローバル化が進み、文化を超えたデザインへの関心が高まるにつれ、建築家やインテリアデザイナーは日本とスカンジナビアの要素を融合させる試みを始めました。その結果、スカンジナビアンデザインの暖かさと居心地の良さと、日本のインテリアの無駄をそぎ落としたシンプルさと落ち着きという、両者の長所を組み合わせたハイブリッドスタイルとして、Japandiが誕生しました。
日本では長らくの間、「和モダン」という近代風にアレンジされた和テイストが人気の主流でしたが、和モダンに北欧のテイストをより色濃くミックスさせた「ジャパンディ」が、人気を高めつつあります。
ジャパンディスタイルを取り入れる際のポイント
ジャパンディスタイルをインテリアに取り入れる際のポイントは、シンプルでありながら温かみを感じられる空間を作り出すことにあります。日本のミニマリズムと北欧の機能美を融合させたスタイルで、自然素材と持続可能性を重視します。以下のポイントを押さえることで、ジャパンディスタイルの特徴をインテリアに反映させることができます。
自然素材を取り入れる
木材、竹、石、リネン、ウールなどの自然素材を多用します。特に木材は家具や床、壁面など幅広く使用され、温かみと落ち着きを演出します。
見た目だけではなく、耐久性が高く長持ちする天然素材を選び、持続可能性を意識した選択をすることがポイントです。
シンプルで機能的なデザインのインテリアを取り入れる
ジャパンディスタイルは、装飾を最小限に抑え、シンプルで機能的なデザインを追求します。無駄のないシルエットの家具や収納スペースを取り入れ、すっきりとした空間を作ります。隠す収納スタイルが好まれ、余計なものを視界に入れないようにすることで、心地よい空間を保ちます。
中間色や自然色を基調としたカラーで統一する
ベージュ、グレー、クリーム、オリーブブラウンなど、自然を感じさせる穏やかなカラーを基調にします。彩度の低い中間色を使うことで、落ち着いた雰囲気を演出します。差し色には、チャコールグレーやダークブラウンなどの落ち着いた色味を使用して、空間全体にバランスを取ります。
例えばキャビネットの取っ手をマットな質感のブラックにするだけでも、グッとシックさが増して落ち着いた印象を持たせることが可能になります。
空間の広がりと自然光を活用する
自然光を最大限に取り入れる設計が重要です。障子や窓は大きく取り、柔らかな自然光がたっぷりと差し込むように工夫します。光を妨げないよう、シンプルで透け感のあるカーテンやシェードを使用し、空間に広がりを持たせます。
自然を感じさせる要素を追加する
室内に観葉植物を配置し、自然とのつながりを感じさせるのもジャパンディスタイルの重要な要素です。ただし、植物はシンプルに配置し、空間を邪魔しないように心がけます。ドウダンツツジやアセビなど、空間を感じさせる植物を選ぶことも大切です。
石やセラミックなどの自然素材でできたインテリア小物を取り入れることで、ナチュラルな雰囲気をさらに強調します。
調和とバランス
ジャパンディスタイルでは、調和とバランスが重要です。家具の配置や空間全体のコーディネートにおいて、左右対称や整然としたレイアウトを心がけると、落ち着きのある空間を作り出せます。過剰な装飾を避け、空間に余白を持たせることで、視覚的な静けさと心地よさを提供します。
温かみのある照明
照明は柔らかい光を使用し、温かみを加えることが大切です。ペンダントライトやスタンドライトなど、シンプルなデザインの照明器具を選び、温白色や暖色系の光を使うことで、居心地の良い空間を作ります。
これらのポイントを踏まえて、シンプルかつ温かみのある、長く愛される空間を作り出すことが、ジャパンディスタイルのインテリアの魅力です。
ジャパンディスタイルに関する電子書籍
もっと詳しくジャパンディスタイルについての情報収集をしたい方には、以下の電子書籍がおすすめです。住まいのインテリアを考える時に、参考になる素敵なアイデアがたくさん紹介されています。
いずれも、生成AIで造られたデジタル写真集ですので、ところどころ不自然な写真もあるのですが、ジャパンディの方向性などを理解するのには十分な内容となっています。
ジャパンディスタイルの家具オンラインショップ
ジャパンディテイストな家具やインテリア、雑貨をセレクトしているオンラインショップをいくつかご紹介します。
アイテムだけではなく、インテリア全体の写真も多数紹介されているので、ジャパンディスタイルなお部屋づくりの参考にしてみて下さい。
シンプルで自然な美しさを重視し、落ち着いた部屋を作ることができるジャパンディスタイルに向く家具を多数取り扱っています。
おしゃれな輸入雑貨・海外雑貨・インテリア雑貨の通販サイトLOGANでは、デンマークのLAWA DESIGNの照明など北欧のインテリア雑貨を多数取り揃えています。
日本の伝統的な和の要素と北欧の居心地の良い要素を融合させたジャパンディスタイルなインテリアにマッチする家具や雑貨を取り揃えています。
まとめ
国内外で注目を集める「ジャパンディスタイル」は、日本の伝統美である侘び寂び(わびさび)の精神やシンプルさ、素材の美しさを大切にしながら、北欧の機能的でモダンなエッセンスを取り入れたデザインが特徴です。
建具やインテリアに木材やリネン、ウールと言った自然素材を取り入れたり、自然光を取り入れる大きな窓を採用したり、空間に奥行きを持たせる枝モノの植物を飾ったりとJapandiスタイルにはいくつか抑えておくべきポイントがあります。
日本でも注目度の高まっているジャパンディスタイルを取り入れて、住まいを落ち着きのある癒しの空間へと高めてみませんか。
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株式会社SOWAKA
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