一枚板のカウンター材を探しに|理想の一点ものを材木市場で
SOWAKAの坂本です。
現在リノベの打合せを進めているお客様と一緒に、「一枚板」を探しに東海木材相互市場に行ってきました。
今回の目的は、モールテックス仕上げのキッチンに、一枚板のカウンターを組み合わせるため。
「既製品では味わえない、木の温かみを感じられる1点もののキッチンをつくりたい」
実際に材木工場にお客様と一緒に足を運び、一点ものの一枚板を選んでいただくことにしました。

広大な市場に足を踏み入れると、ずらりと並ぶ木々の迫力に圧倒されます。
ここの市場は全国でも見ても有数の規模を誇るとのこと。

ケヤキ、ナラ、モンキーポッド、ウォルナット……同じ樹種でも、色味や木目、節の入り方など、一枚一枚まったく表情が異なります。
一枚ずつ見ていく中で、私はもちろんお客様も自然と真剣な眼差しになられていました。


それぞれの木がもつ“個性”と向き合いながら、暮らしのイメージをふくらませていく、そんな時間は贅沢です。
中には貴重な「屋久杉」や伊勢神宮の御神木の一枚板もありました。お値段を聞くと150万円以上なんだって。流石の存在感。

「これはちょっと個性的すぎるかな」
「この木目、すごく好きかも」
そうやって、少しずつ“自分たちらしさ”が見えてくる時間は、まさに空間づくりの醍醐味だと感じました。

最終的に選ばれたのは、優しい木目と温かな色合いが魅力の「タモ」の一枚板。

この一枚板が、これからどんなふうに加工され、キッチンの顔になっていくのか—
完成までのプロセスが今からとても楽しみです。
SOWAKAでは、空間のデザインや仕上がりだけでなく、そこに至るまでの過程も「お客様と一緒に楽しむこと」を大切にしています。
素材選びから始まる住まいづくり。それは、暮らしの一部ができあがっていく「物語」のような時間です。
これからも、お客様の想いに寄り添いながら、心地よい暮らしのかたちを一緒に描いていきたいと思います。
前回までのお話しはこちらから
この記事を書いた人

坂本真由
坂本真由(株式会社SOWAKA)
代表取締役
1984年、熊本県天草市生まれ。
田舎ならではの独特な世界観や価値観に刺激を受けながら育ち、「自分らしく生きる」という人生のテーマを教えてくれた、大好きな地元が私の原点です。
そんな地元を離れたのは、「建築とデザイン」を本格的に学びたかったから。新しい刺激を求めて飛び込んだ専門学校では、建築の基礎から空間づくり、そしてデザインの楽しさを2年間夢中になって学びました。
卒業後は名古屋のビルダーに就職し、現場での経験を重ねながら、より実践的な建築の世界を体感。地元で培った感性と、愛知での学びや経験が、今の私の仕事にしっかりと息づいています。