【断熱リノベーション】セルロースファイバーがなぜ選ばれるの?

執筆:はちとり(株式会社SOWAKA・スタッフ)

執筆:はちとり(株式会社SOWAKA・スタッフ)

断熱リノベーションと一言で言っても、様々な断熱材の種類や断熱工事方法があります。当社(株式会社SOWAKA)では、断熱材の標準仕様として『セルロースファイバー』を採用しています。

セルロース断熱材市場においては、2023年時点で北米が最大のシェアを占めていますが、アジア太平洋地域でも市場規模が拡大しており、日本でもここ数年で人気の高まりを見せています。

この記事では、セルロースファイバーが断熱材として世界中で注目を集める理由について詳しく解説します。

参考文献:https://dataintelo.com/report/cellulose-insulation-market

セルロースファイバーとは?

『セルロースファイバー』は、古紙を再利用して作られた断熱材です。

当社が使用しているセルロースファイバーは新聞紙を主原料としており、上の写真のように灰色でフワフワとした綿のような素材です。他にも段ボールやウッドチップを利用した製品があり、原料によって色が違ってきます。

これを壁や天井の間にぎっしりと敷き詰めることで、断熱効果を発揮します。

ひとつひとつの細かな繊維の間に空気をため込むことができるので、外気と室内の間に空気の層を作ることができるのです。

セルロースファイバーはなぜ断熱性が高いの?

木材を原料としているから

断熱材は、より空気を多く抱え込んでいる物の方が断熱効果が高いと言われます。

セルロースファイバーの原材料である新聞紙は、元々木材を加工したもので、『木質繊維』と呼ばれます。この木質繊維は、繊維同士が絡み合って空気を抱えることに加え、繊維そのものの中にも小さな空気穴があります。

無数の空気穴を持つセルロースファイバーの断熱性能は、ガラスの約7倍

下の写真は、左がセルロースファイバー、右がグラスウール(ガラスを溶かして繊維状にした断熱材)の顕微写真です。

セルロースファイバー
グラスウール

一目で、セルロースファイバーの方がより密に繊維が絡み合い、ふわっと空気を含んでいることが分かりますね。

隙間のない吹込み工法(ブローイング工法)

グラスウールなどの板状断熱材やマット状断熱材の場合、骨組みの間に合わせて隙間や歪みがないように、断熱材をカットしながら施工していきます。

しかし、切断場所や骨組みの場所によっては小さな隙間や歪みができてしまう事も多く、その数ミリの隙間を空気が出入りしてしまうと断熱性能がガクンと低下してしまうのです。

【施工状態が断熱性能に与える影響】

一方、セルロースファイバーは、断熱材を専用マシンで、外壁と壁の間に高密度に吹き込む工法(ブローイング工法)を採用しています。

天井断熱に関しては、セルロースファイバーを屋根裏に敷き詰めて厚い層を作ります。

綿状の細かな断熱材を吹き込んでいくので、継ぎ目による隙間がなく、さらには小さな隙間があっても細部までしっかりと詰め込んでいくことが可能。だから熱が逃げず、優れた断熱効果を発揮するのです。

マット状の断熱材と、セルロースファイバーを比べてみると、なんと天井断熱の隙間が5%あるだけで、断熱効果は50%もダウンしてしまうそう!

サーモグラフィで見てみても、その差は歴然です。

引用:日本製紙木材株式会社 スーパージェットファイバー『スキマがない断熱材』

認定施工業者が施工するから安心!

ブローイング工法は特殊な機械と技術を必要とする為、現場の大工さんではなく、メーカー登録施工店の認定された専門スタッフが施工を行います

どんなに良い素材を使っても、施工がしっかりされないと効果が半減してしまう断熱工事。

長く暮らす大切な住まいですから、専門のプロに隙間なくしっかりと施工をしてもらえたら尚安心して任せることができますね。

代表 坂本

名古屋市近郊でリノベーションを手掛けている、当社【株式会社SOWAKA】も取り扱い工務店として登録をしております。

断熱リノベーションやセルロースファイバーが気になる方は、ぜひお問合せ下さいね!

▶▶▶ セルロースファイバー『スーパージェットファイバー』取り扱い工務店一覧

もっと知りたい!セルロースファイバーのここがスゴイ!

燃えにくい素材

「新聞紙はすぐに燃えてしまうから、新聞紙を原料にした断熱材は火に弱いのでは?」と心配される方もいらっしゃるかと思います。

けれど心配はいりません。セルロースファイバーは、住宅用断熱材として使用するために難燃剤(硼酸、硼砂)を添加しているため燃えにくく、強い炎を当てても表面が炭化していくだけで燃え広がりません

また万が一の火災が発生しても、セルロースファイバーは古紙を原料としているので、有害なガスを発生させる心配もありません

写真引用:日本製紙木材株式会社 スーパージェットファイバー 『スキマがない断熱材』

実際に当社でも燃焼実験を行いましたが、3分以上バーナーを当て続けても燃え広がることはなく、炭化した表面を取り除くと中は燃える前の素材そのままでした。

【セルロースファイバー燃焼実験】

一方グラスウールはあっという間に繊維が溶けて、燃え広がってしまいました。実際の家事を想像すると怖いですね。

【グラスウール燃焼実験】

防音性が高い

最初に述べたように、セルロースファイバーは細かな繊維が絡み合い、たくさんの小さな空気穴を持っています。

この穴に音がぶつかる度に音は小さくなり、音の振動を繊維が吸収してくれる為、外部に音が漏れにくいというのがメリットのひとつです。

100dbの防犯ベルの音が、約半分の54dbになったという実験結果もあります。

日本製紙木材株式会社のホームぺージには、実際の実験を撮影したYOUTUBEが公開されているので、興味のある方はぜひご覧ください。

▶▶▶ 防音実験YOUTUBE動画はこちら

また、隙間なく高密度に施工できるブローイング工法も、防音性に大きく影響しています。

周囲に大きな道路や線路がある地域や、ご自宅で音楽を気兼ねなく楽しみたい方にも、防音を兼ねておすすめの断熱材です。

調湿性と撥水性がある

新聞紙を濡れた靴の中に詰めて、乾かした経験のある方は多いのではないでしょうか。元々が木材から作られている新聞紙には吸放湿効果があり、周囲の状況に合わせて湿度を調整してくれます。

そんな新聞紙を原料にしていますから、セルロースファイバーも調湿性が高い性質を持っています。

湿度の高い夏には湿気を吸ってくれ、乾燥する冬には湿気を放出してくれるのです。

湿度の調整がされていると、家の結露防止にも役立ちます。結露は住まいにとって大敵!カビや木材腐朽菌を発生させる原因となると共に、湿った場所を好むシロアリ被害を招く危険も高まります。

結露を少なくすることで、家の寿命も伸ばすことができるのです。

また同時に撥水性も高いのがセルロースファイバーの特徴。湿気は吸うのに水は吸わないというのが不思議ですが、実際にセルロースファイバーを水に沈めても、吸収することなく、ずっと浮かんでいます。

万が一屋根から雨漏りしてしまっても、水を吸って断熱性能が落ちたり、断熱材が水の重みで沈んでしまうなんてことにならないのが嬉しいポイントです。

セルロースファイバーの安全性は?

健康にも安心

セルロースファイバーは、ホウ素系の薬品により特別な処理を行っています。

このホウ素は、アトピーやアレルギー源となるダニやカビなどの発生を防ぐ効果があるので、家族の健康を守ることにもつながります。

ホウ素ってどんな物?本当に大丈夫?

ホウ素系化合物は、地球に多く存在し様々な場所で使用されています。 

最も多いのはスマホやPCの液晶部分の原料。目薬やコンタクトレンズの洗浄剤や、農業では必須肥料としても使われています。

 有害性の基準としては『食塩と同等』と言われており、住宅に施工したセルローズファイバーが健康に 影響を及ぼす心配はないそう。安心して採用していただけます。

またセルロースファイバーの製造工程では、ホルムアルデヒドのような 有害化学物質は一切使用していませんので、シックハウス症候群の心配もありません

ホルムアルデヒドの発散濃度を示した基準も、F☆☆☆☆(エフフォースター)と呼ばれる最高等級を取得してるんですよ。

さらにお客様の中には、「新聞の印刷インクは大丈夫なの?」との疑問も耳にします。

セルロースファイバーは新聞社で印刷された新聞紙のみを原料にしています。 新聞社で使うインクは、大豆油を原料とした環境配慮型のインクを使用しており、実際に新聞を手にして読むお客様を想定して安全な物となっています。みなさんが手にしても安全な素材だから 断熱材の原料としても安心というわけです。

JISマーク認証も取得

セルロースファイバーは、JISマーク表示製品認証も取得しています。

JIS規格に適合した製品なので、安心して大切な住まいにも採用することができますね。

地球にも優しいセルロースファイバー

セルロースファイバーは、地球環境にも優しいエコな断熱材であることも、導入するにあたってのメリットです。

新聞店などで売れ残った新聞古紙を主原料としているセルロースファイバーですが、1棟の家でどのくらいの量を使うと思いますか?

答えは約40坪の家1棟で約1.2トン、新聞に換算するとなんと約15〜18年分の新聞をリサイクルしたことになります。

家1棟分のセルロースファイバー

セルロースファイバーを製造する際にも、水や熱を使わない乾式製法で作られます。製造エネルギーは、グラスウールなどの断熱材に比べて約1/5に抑えることができると同時に、CO2の排出も少なく製造することができます。

限られた地球の資源を有効活用して、環境に負荷をかけずに省エネルギーで提供できる、まさに理想的な断熱材であると言えるのです。

まとめ

今回の記事では、セルロースファイバーについて、興味深い実験結果も含めながら説明させていただきました。

セルロースファイバーは、断熱性能が高いだけでなく、火や水に強く、同時に防音効果も期待できる安全な断熱材です。また、環境への負荷が少なく、近年のサスティナブルな風潮にもピッタリだと言えるのではないでしょうか。

しかし、素材だけが良ければ良いというわけではありません。しっかりと断熱効果を効かせるためには、隙間なく施工できるプロの専門スタッフによる工事が必要不可欠となってきます。

セルロースファイバーをご検討される際は、知識をしっかりと持ち、施工経験が豊富な施工会社で、詳しく話を聞いていただくことがオススメです。

名古屋で断熱リノベーションをするならSOWAKA

株式会社SOWAKAは、名古屋市を中心に数多くのリノベーションを手掛けてきました。

特にセルロースファイバーを標準仕様とした断熱リノベーションや、より知識が必要とされる重量鉄骨造のリノベーションを得意としています。

リノベーションは建物の状況、お客様のご希望、タイミング等によって、ひとつとして同じものはありません。

お客様に降り添いながら、様々な建物の構造にも適切に対応ができるSOWAKAならでは提案力で、リノベーションを通じてお客様の夢を叶えるお手伝いをいたします。

リノベーション事例

名古屋市内を中心に、愛知県全域で多数のリノベーション事例があります。
是非ご覧ください。