店舗併用住宅の外壁補修【カイロプラクティック】
ここ数年は台風の愛知直撃が少なく穏やかな秋を過ごしていたのですが、2025年は台風が多い予想みたいです。
私たち建設業は暑さ、寒さだけでなく天候にも左右されるお仕事なのですが、とりわけ、建設会社にとっては台風は怖い存在です。
よく雨漏りを直す仕事をしているのですが、今回のお客様も原因不明の雨漏りが原因で外壁に不具合が出てしまって困っていました。
毎年、キャリア教育の講師として瀬戸市内の中学校へ授業を行っているのですが、7~8クラスあるので講師も8名ぐらい来ていて控え室で色々な職業の方とお話をするのが楽しみの一つにもなっています。 そんな中、たまたま私の隣で授業開始待ちをしていたのが今回のお客様。
普段は私から色々と話しかけるのですが、私が建設業だったので話しかけてくださいました。
最初はカイロプラクティックの話だったのですが、実は自宅の外壁がボロボロになってきてしまって・・・どうやって業者を見つけたらいいか分からないという話になり、私も公平で第三者的な意見を求められていると思い修理業者さんの見つけ方や、どうやって直したら良いかなどを話していたのですが、結局は授業が終わってから自宅を見にいくことに。

ベランダの手すり部分が水を吸ってしまいサイディングが朽ちてしまっていました。
後日、ハシゴを使って触ってみたのですが、フニャフニャになってしまっていたので指で取れてしまいこんな感じに↓↓↓

注文住宅で15年ぐらい前に新築をしたとのことでしたが、施工不良でした。
原因はベランダの手すり上部に付いているアルミ笠木と外壁材のサイディング板の間に隙間が無かったことにより水はけが悪くサイディング板がその水を吸収してしまったというもの。
また、その隙間が無くなってしまった原因は前述のアルミ笠木を設置する際に墨出しが上手くできておらず、何故か墨の基準線が湾曲してしまっていたため一部分の下地金物が曲がって取付けてあり新築当初は良かったものの13年ぐらい経過してから外壁サイディングの防水性能が低下してきたと同時に水を吸い込んでしまい顕在化してしまったというもの。
結局はアルミ笠木とサイディングを取り外して4mmずらして完成。
たった4mm。
その4mmとか小さい隙間が大事になることが多い。
本当はもっと隙間を作りたかったのですが、アルミ笠木や手摺などを全部新品に交換しなければならず高額になるため不良箇所を修正して納めました。

改修の仕事は目の前にある状況から原因を推測して見積書を提示。そして材料注文をして職人の段取りをして修理をする流れです。
そのプロセスの一つに間違いがあると失敗になる。。
私の場合は、作る工程と逆に順を追って考えていきます。(人それぞれだと思う)
まず、新築の時に一番最後に取付をしたのがアルミ笠木だから、アルミ笠木を下地金物から外した場合にどうなるか。
次に下地金物はどういう状況で取付がしてあるのか。(今回はこの部分に不良が発生していたので、それ以前に施工した部分に関して被害がある可能性がある)
そして、外壁のサイディング板を外したらタテ胴縁があって、防水シートが張ってあって・・・ 防水シートの重ね代が足りない場合や防水テープが適切でない場合はその内部まで被害があるかもしれない。
こんな感じで、水は重力で下に落ちることを前提にしながらも、毛細管現象などで水が上がる可能性も考えながら一つひとつの工程をわずかな隙間や材料の特性なども加えながら考えていき直す。
見積書はお客様へ提出するものなのですが、意外と知られていない作業もあります。
それは、この工事の場合
・足場を組み立てる職人
・アルミ笠木を取り外し、復旧する職人
・サイディング板を解体する職人
・サイディング板を張る職人
・防水のためのシーリングを行う職人
そう。 5業種は必要となる。
そして、その一人ひとりに現状と推測と完成形を説明して納得してもらうまで話し合うことが重要。
実は、こういう難しい仕事は成功するための法則がある。
・施工管理と職人共に経験があって信頼関係がある
・施工管理が若手であっても職人が経験豊富で職人主導で進む
・施工管理が経験豊富で職人に経験が少なくてもが1から10まで指示に従う
これ以外は失敗する。
建築の世界では偶然に直ってしまった(笑)(笑)ってのは基本的に無いです。
予算組みの為にサッと見積書は提出したのですが、
やはり大事なのは職人とコミュニケーションを取ることで、工事の日にパフォーマンスを発揮できるのかが変わってしまう。
およそ、2週間ぐらいかけてAパターンの場合はこう、Bパターンの場合はこう・・・など話し合いをするのですが、今どきの職人さんだとタイムパフォーマンスが悪いので嫌がることも多い。
「俺らは言われたことをやるだけだから」
木材の特性、金属の特性、樹脂の特性・・・
色々な複合体でできている建物だからこそチームで直している。
そこがお客様には見えないところ。
でも、そこが一番大事ですよね。
業者に依頼をすれば直る。
それを続けていきたいです。
ちなみに、私は姿勢が悪く身体を直したかったのでカイロプラクティックに通い始めました(笑)
私たちが建物を直すように、身体を直す人たちも居る。
仕事をいただけたのも嬉しいけど、同じ様な考え方で身体を直す先生と知り合えたのは私にとって財産でもあります。