軽量鉄骨造とは?軽量鉄骨の特徴やリノベーションで気になるポイントを詳しく解説
この記事は、こんな方におすすめ!
- 軽量鉄骨造の戸建てリノベーションをご検討中の方
- 今後のリノベーションに向けて、情報収集をしたい方
- セキスイハイムなどの鉄骨造住宅のリノベーションについて知りたい方
建物には木造、鉄骨造、鉄筋コンクリートなど様々な構造があります。
この記事では、軽量鉄骨造の戸建て住宅リノベーションをご検討中の方に向けて、鉄骨リノベーションの専門家が軽量鉄骨の特徴や工事の際のポイントなどを詳しく解説します。
これからリノベーションをして新しい住まいを作る方の参考になりましたら幸いです。
軽量鉄骨造とは?
そもそも「鉄骨造」とはどのようなものを指すのでしょうか。
建物には、「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」といった、さまざまな工法があります。
その中で「鉄骨造」とは、柱や梁などの建物の骨組みとなる主要部分が鉄骨で作られている建物のことをいいます。「Steel」の頭文字から「S造」と略して表現されることもあります。
一方で主要部分が木材で作られている建物は「木造」と呼ばれます。
日本では、夏暑く冬に寒いという四季のある気候に合っていたため、古くから木でできた木造の建物が広く採用されてきました。
しかし近年は鉄骨造の一般住宅も増え、大手ハウスメーカーでも採用されている工法になっています。
鉄骨造の種類は2つ
鉄骨造には、重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2つの種類があります。
- 重量鉄骨造:鉄骨の厚さが6mm以上の鋼材で造られた建物
- 軽量鉄骨造:鉄骨の厚さが6mm以下の鋼材で造られた建物
軽量鉄骨造とはどのようなもの?
軽量鉄骨造とは鉄骨造の中のひとつで、建物に使う鉄骨の厚みが6㎜以下の建物のことです。
軽量鉄骨造の一般住宅を建てる際には、建物のパーツを工場で生産し、建築現場で組み立てる「プレハブ工法」を用いるのが一般的となっています。
なお、6㎜以上の鉄骨を使用した建物は「重量鉄骨」と分類され、別の構造となってきます。
耐久性がある重量鉄骨は、一般住宅だけではなく、3階建て以上の建物や大きなマンション・店舗などにも対応することができます。
見た目からではどちらが使われているのかわからないことも多いので、気になる物件がある方は専門家に問い合わせてみましょう。建物の登記簿や建築図から判定することができますよ。
軽量鉄骨造の魅力
軽量鉄骨造の魅力やメリットはどのような部分にあるのでしょうか。今回は同じ鉄骨造である「重量鉄骨造」と比較してご紹介していきます。
建築コストを抑えることができる
軽量鉄骨造は厚さが6㎜という、比較的薄い鋼材を使って建物を建設していきます。
使っている材料の量だけを見ても、厚さがある重量鉄骨と比べると値段が下がることが分かっていただけるのではないでしょうか。
さらに軽量鉄骨造で使われる鉄骨は、工場で生産された物を利用します。
規格の決まった鉄骨を大量生産することで、さらに材料費としての価格も抑えることが可能になるのです。
工期が短い
軽量鉄骨造では、建物のパーツを工場で生産し、現場に持ってきて組み立てる「プレハブ工法」と言われる方法がとられることが多いです。
つまり、現場では組み立てるという作業のみとなるため、工事期間を短く済ますことができます。
工事期間の短縮は人件費を削減することにも繋がり、コスト面にもさらに大きく影響してきますね。
また重量鉄骨造の場合、非常にしっかりとした地盤基礎工事や検査が必要となってきますが、軽量鉄骨造ではそこまでの検査の必要は求められません。
そういった部分でも工期を短くし、早く住まいをお引渡しすることができます。
品質が安定している
前述した鉄骨の工場生産は、機械での作業となるので品質にムラができずらいと言えます。
また、「プレハブ工法」での現場組み立て作業も、熟練の技が必要という訳ではなく、ある程度の知識と経験がある職人さんならしっかりと組み上げることが可能な形になっています。
木造の場合は、職人さんの技術によって出来上がりに良し悪しが出てしまう部分もあるのですが、軽量鉄骨の場合はそのような心配がいりません。
安心して工事を任せられることも、家を建ててこれから長く住む上で大切な部分になりますね。
ハウスメーカーの軽量鉄骨造はリノベーションできる?
軽量鉄骨の住宅は、多くの場合大手のハウスメーカーによる「プレハブ工法」で建てられています。
その中でそれぞれのメーカーが独自の工法を持っているため、「その住宅を建てたハウスメーカーでないとリノベーションできない」と言われることも少なくありません。
しかしそう言い切るのは間違い。それぞれのメーカーの特徴をしっかりと理解しているリノベーション会社であれば、間取りを取り払うといった大掛かりなフルリノベーションをすることも可能です。
現在ハウスメーカーの軽量鉄骨造をリノベーションしようと検討中の方は、各ハウスメーカーの工法をしっかりと把握していて、軽量鉄骨リフォームの実績が豊富な会社かどうか。事前にホームページを見たり、問い合わせるなどをして、確認するようにしましょう。
軽量鉄骨造のリノベーションは間取りの自由度が少ない?
軽量鉄骨造に使われている鋼材は薄い為、強度を強くするために、重量鉄骨と比べると柱や梁を多く設置する必要があります。
そのため、例えば「部屋と部屋の間の壁を壊して一つの大きな部屋にする」といったリノベーションをしたいと思っても、構造上必要な壁や柱が多く、対応できない場合が少なくありません。
間取りの自由度という点では、柱と梁でしっかりと支える重量鉄骨造の方が自由がきくと言えます。
ただ、柱をわざと見える様にしたり、ブレースと呼ばれる対角線を結ぶ補強材を設置することに抵抗がなければ、好みの間取りを実現することができる可能性もあります。
まずは一度施工会社に相談するのが良いですね。
軽量鉄骨造は築何年位までリノベーションできるの?
建造物には、法定耐用年数というものがあります。
一般的な軽量鉄骨造の法定耐用年数は、国税庁の示す『法定耐用年数表』にて以下のように定められています。
構造 | 法定耐用年数 |
鉄骨造(鉄骨の厚み3mm以下) | 19年 |
鉄骨造(鉄骨の厚み3mm以上4mm以下) | 27年 |
ただし、この数値はあくまで建物の価値を決めるために設定されているもので、建物の寿命ではありません。
しっかりと定期的なメンテナンスを行っている物件は、状態が良ければ70~100年程度は使用できると考えられています。
ただ、リノベーションをするなら建築基準法に定められている『耐震基準』も考慮にいれていきましょう。
1981年6月の改定で、新たに震度6以上の規定が定められ、震度5以下の地震に対しても基準が厳しくされました。【新耐震基準】
地震大国の日本に住む私たち。これからリノベーションを検討し始める方は、なるべく古くても1981年6月以降に建てられた新耐震基準をクリアしている物件を候補に入れていくのがおすすめです。
軽量鉄骨造の寿命を延ばす錆び対策
鉄が水に濡れて錆びてしまっているのを目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
鉄は錆びることによって性質が変わり、強度が弱くなってしまいます。
地震があった際の事を考えてみましょう。鉄骨造が地震に強いと言われるのは、揺れた時に鉄がしなりながら揺れを吸収して、安定させてくれるからなのです。
それが錆びた鉄ではどうでしょうか。
錆びて弱くなった部分がポキッと折れてしまい、建物の骨組みごと倒壊してしまう危険があるのです。
軽量鉄骨造の錆の原因は、ほとんどが外壁材の劣化によって起こる水の浸み込みや、屋根からの雨漏りとなっています。
外壁塗装や屋根の塗り替えなど、お金のかかる部分ではありますが、定期的なメンテナンスをしっかりとして、安全に長く住める住まいを維持していきたいですね。
また、中古住宅を購入する際も、しっかりとメンテナンスされているかどうかを確認することが大切です。
例え安く購入できたとしても、鉄骨の修繕・防水工事を行う必要がある物件となると、高額な費用がかかってしまう可能性もあることを覚えておきましょう。
さらに詳しく『軽量鉄骨造』について知りたい方
「株式会社SOWAKA」現場・設計担当の杉山が、プロの視点から『鉄骨造』に関しての説明をしているYOUTUBEをご紹介。
『軽量鉄骨』と『重量鉄骨』を比較しながら、リノベーションに向いている物件のアドバイスをしています。
きっと住まいづくりの参考になるかと思います。ご興味があればぜひご視聴ください。
リノベーション事例
名古屋市内を中心に、愛知県全域で多数のリノベーションの事例があります。
是非ご覧ください。
まとめ
軽量鉄骨造は、そのコストパフォーマンスや工期の短さ、品質の安定性から、リノベーションを検討する際に多くの魅力を持つ構造です。しかし、ハウスメーカーごとの工法の違いや間取りの制約など、リノベーションを成功させるためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
この記事で紹介した情報をもとに、リノベーションを検討中の方は、自分のニーズに合った施工会社を見つけ、信頼できる専門家と相談することをお勧めします。適切なメンテナンスを続けることで、軽量鉄骨造の住宅は長期間安心して住むことができる住まいへと生まれ変わります。是非、この記事を参考にして、理想の住まい作りにお役立てください。
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