中古リノベーションに最適な建物選びとは? ~知っておきたいポイント~
今回は「中古リノベーションを考える際に最適な建物とはどのようなものか」というテーマを深掘りしていきます。
新しい家を購入するのではなく、既存の建物に手を加え、自分好みの空間を作り上げるリノベーションの魅力や課題、そして注意点をまとめてみました。ぜひご参考にしてください。
リノベーションを考えるタイミングとは?
リノベーションを計画するタイミングは、ライフステージの変化に合わせることが多いです。主に以下のような場面でリノベーションの相談を受けるケースが目立ちます。
- 結婚して子どもが生まれたとき
二世帯住宅へのリノベーションや中古住宅の購入を検討される方が多いです。 - 子どもが進学するタイミング
家族構成が変わる中で実家をリノベーションして新しい住まいの形を作る場合もあります。 - 定年退職を迎え、次の暮らしを考えるとき
現在の自宅や実家をリノベーションして、老後に備えた住まいを整えるケースです。
これらの場面に共通して言えるのは、リノベーションを考えるタイミングが「忙しい時期」と重なることが多いという点です。新生活の準備や子育て、将来の計画など、多くのことを一度に進める必要がある中で、効率よく計画を立てるためにも、建物選びのポイントをしっかりと押さえておくことが重要です。
築年数や建物の構造を意識する理由
リノベーションを行う場合、購入する建物の築年数や構造によって、長期的な住み心地やコストが大きく変わってきます。例えば、35歳の方がリノベーションを検討し、35年ローンを組んだ場合を考えてみましょう。この場合、ローンを完済するのは70歳になります。
もし築30年の木造住宅を購入したとすると、70歳時点では築65年の建物になっています。このような「中途半端なリノベーション」を行うと、老後に再びメンテナンスやリフォームが必要になるリスクがあります。これは結果として、住宅にかかる費用を増やしてしまう可能性が高いのです。
また、日本では住宅取得やリフォームにかかる費用が生涯収入に占める割合が高いことが統計的にも示されています。効率的な建物選びを行うことは、長期的に見て家計の負担を軽減する重要なポイントです。
建物の品質とメンテナンスの重要性
「古い建物だからダメ」というわけではありません。実際、法隆寺の五重塔のように、しっかりとしたメンテナンスを行えば、建物は非常に長持ちします。ただし、法隆寺のような建築物は国家プロジェクトとして一流の技術で建てられ、莫大な費用をかけて手入れが行われてきたものです。同様に一般住宅においても、きちんとした施工や適切なメンテナンスが行われることで、建物の寿命を延ばすことが可能です。
とはいえ、過去の日本の住宅事情を振り返ると、20年以上前に建てられた建物の中には、図面通りに施工されていないものや、品質・性能が低いものも少なくありません。特に築30年以上の木造建売住宅では、購入価格が安くても20年持たない可能性があることを念頭に置く必要があります。
今後の住宅性能基準とリノベーション
近年、日本では住宅の住環境を向上させるための法整備が進んでいます。2025年や2030年に向けて、住宅性能基準がより厳しくなることが義務付けられています。このような背景から、新築物件だけでなく中古住宅にも、高断熱・高気密といった省エネ性能が求められる時代になっています。
そのため、暑さ寒さに耐えられない建物や耐震性が低い建物を購入すると、結果としてまたリフォームや建て替えが必要になる可能性が高いのです。このようなリスクを避けるためにも、建物の性能をしっかり確認し、将来的なランニングコストを抑えられる選択をすることが大切です。
おすすめは築25年~40年の重量鉄骨造
それでは、どのような建物が中古リノベーションに最適なのでしょうか?結論としては、築25年から40年の重量鉄骨造がおすすめです。
木造住宅は中古市場では安価に購入できることが多いですが、生涯コストを抑える観点から考えると、重量鉄骨造の方が費用対効果が高いと言えます。特に鉄骨造は、耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば、長期間にわたって快適に住むことができます。
一方で、鉄筋コンクリート造も丈夫ではありますが、古い建物の場合、梁(はり)の高さが低く、空間の自由度が低いというデメリットがあります。例えば、床から梁までの高さが180cm程度しかない建物では、広々とした空間を作ることが難しくなります。これは中古マンションをリノベーションする際にも同じ課題となるため、内覧時には注意深く確認することをおすすめします。
重量鉄骨造リノベーションのメリット
例えば、35歳の方が築30年の重量鉄骨造を購入し、リノベーションを行った場合を考えます。この場合、70歳までの間に必要なメンテナンスは外壁や屋上の補修程度で済むことが多く、結果として生涯の住居費用を大きく抑えることが可能です。
さらに、弊社SOWAKAの標準仕様で断熱リノベーションを行えば、2025年基準の新築住宅と同等の断熱性能を持つ家を実現することも可能です。これにより、光熱費を大幅に削減でき、ランニングコストを抑えることができます。
まとめ
中古リノベーションを計画する際には、築年数や建物の構造、性能をよく見極めることが重要です。特に、築25年~40年の重量鉄骨造の物件は、耐久性や費用対効果の観点から大変おすすめです。また、断熱性能を高めるリノベーションを行うことで、快適な暮らしを長く続けることができます。
リノベーションを通じて、より豊かな住環境を手に入れるための第一歩として、ぜひ適切な建物選びを意識してみてください。あなたの理想の暮らしを実現するお手伝いができれば幸いです。