【初心者さん向け】リノベーションに関する疑問・質問にお答えします

執筆監修:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

執筆監修:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

中古物件をリノベーションしようと考えている方からのよくある質問・疑問について、初心者さんにも分かりやすく説明します。



リノベーション会社には、どのタイミングで相談すれば良い?

リノベーション会社に問い合わせをするタイミングですが、相続物件や実家リノベーションなどすでに物件を所有している場合と、これから中古物件を購入してリノベーションする場合とで異なります。

すでに物件を所有している場合

すでに物件を所有している場合は、いつでも相談OKです。

ただし、問い合わせや相談をする前に、将来その物件に住む方にリノベーションをしようと思っているという意思確認を必ずするようにしてください。

杉山

打ち合わせがずいぶん進んだところで、家族からの反対にあって白紙に戻る、という事がありますので必ず家族で認識を共有するようにしてください!

これから物件を購入する場合

すでに購入希望物件の内覧を済ませていて、購入の意志がほぼ固まっている場合はリノベーション会社に相談する準備が整っています。

この段階で相談すれば、物件の状況を踏まえた具体的なアドバイスや見積もりを得ることができるため、リノベーション会社に相談するベストなタイミングは「購入物件を決めているが、契約はまだ済ませていない時点」という事になります。

すでに不動産会社との契約を進めている場合

リノベーションの相談を始める前に、不動産会社と契約をしているかどうかも重要です。

すでに物件購入契約を進めていても、物件の調査結果次第で契約を見送ることも可能です。

しかし、契約締結後や物件購入後にリノベーション会社の現地調査によって重大な問題が見つかっても、契約解除が難しい場合が大半です。

また、その建物では希望の間取りにできない場合や費用がかかり過ぎてしまうこともあるので、契約を急かされていてもリノベ会社の判断は待ってもらった方がいいです。

そのため、購入を決める前にリノベーション会社に相談するのがおすすめです。

土地や物件探しからお願いできるの?

これは、相談先のリノベ会社や工務店によります。

不動産を扱っている会社の場合

リノベーション会社の中には、もともと不動産業をやっていて施工業務などにも展開したパターンや、逆に小さい工務店だったところが不動産も取り扱うようになったパターンなどがあり、それらの会社だと「土地探しからリノベーションまで一気通貫で請け負います!」というようなPRをしています。

そういう業者だと土地探しから相談に乗ってくれると思います。

ただし、このケースだと自社が所有している物件を優先的に紹介される場合があり、あとで他の不動産の売り物件情報を見て「この物件にすれば良かった」という後悔に繋がる可能性があるので、自分でも気になる土地や中古物件を探して、業者に「この物件が気になっている」と伝えるようにすることをお勧めします。

工務店業務に特化している会社の場合

一方、工務店業務に特化したリノベ会社の場合は土地や物件探しまでは対応していないところも多いです。

この場合は、自分で不動産情報を収集したり、不動産会社に物件探しを手伝ってもらったりする必要があります。

少し面倒に感じるかも知れませんが、どの物件でも自由に選ぶことができるという大きなメリットがあります。

ちなみに、工務店業務に特化している会社でもたいていの場合は、リノベーションを前提とした物件選びのアドバイスをしてくれたり、物件選びの相談に乗ってくれたりするところが多いです。

例えば、物件を探し始める前にリノベーションに適した土地や建物の条件についてアドバイスをもらい、物件選びの参考にするというのも賢い方法だと思います。

この場合は、リノベ会社に「これから物件を探すので、アドバイスが欲しい」と言うように明確に伝える事をお勧めします。

予算組みの相談などにも乗ってもらえるので、総予算の中から物件購入に割り当てられる金額などを把握するのにも有効です。

杉山

当社は原則として土地や物件のご紹介は行っておりませんが、「購入を検討している物件の内覧に同行して欲しい」という方に同行して実際に物件を見たうえでアドバイスをさせていただく事は可能です。

他社と相見積もりをしても大丈夫?

相見積もりは全く問題ありません。

むしろ、リノベーションの費用感を把握するために、複数のリノベーション会社から見積もりを取ることは賢明です。

費用面だけでなく、各社の提案内容や担当者の対応なども比較し、自分に合ったリノベーション会社を選ぶことが重要です。相見積もりを通じて、自分の希望に最も合った提案をしてくれる会社を見つけることができます。

これは絶対にNG!

価格交渉に、他社の提案や見積もりを利用する事は避けたほうが良いでしょう。
それをやってしまうと、請け負う業者側は「この人は、自社の見積もりや提案を他社に見せる可能性がある」と警戒して、本音での話をしてくれなくなる可能性が高くなるからです。

一方で、実は複数社に相見積もりを取っているのに「御社だけです」と言うような嘘を言うのも避けたほうが良いでしょう。

どこの会社に頼むにしても、人と人との付き合いです。打算や駆け引きをせず、誠実に担当者と向き合う事が結局は自分たちにとってメリットがあるというふうに考えると良いと思います。

どう進めたらいいのか全く分からない場合は?

リノベーションの経験がない方にとって、何から始めていいのか分からないのは当然です。

そんな方は、書店に行ってリノベーションに関する情報雑誌やムックなどをパラパラとめくってみると良いと思います。そしてその中から気になる本があれば、それを購入して全体の流れを把握しておくと、それ以降の進め方が何となく分かると思います。

流れが把握できたら、

  • なぜリノベーションをするのか
  • リノベーションにかけられる大まかな予算

という2点と、その他の希望などを家族間でざっくりとすり合わせておきます。

次に、ウェブ検索やInstagramなどで近隣エリアでリノベーション業務を行っている業者を探して、問い合わせをしてみて下さい。

多くのリノベーション会社では、無料相談や初回のヒアリングを提供しています。

この段階で、自分の希望や予算感を伝え、リノベーションの流れを理解することができます。また、リノベーションする物件がまだ決まっていない場合でも、どのような物件が適しているか、購入前にどのようなチェックをするべきかなど、事前のアドバイスを受けることも可能です。


まとめ

リノベーションは、新築に比べて期間が短く、コストパフォーマンスも良いことが魅力です。

しかし、どのタイミングで相談するか、どの物件を選ぶか、どの会社に依頼するかなど、多くの要素を考慮する必要があります。

まずはリノベーションの専門家に相談し、自分に合った進め方を見つけましょう。しっかりとした準備と信頼できるパートナーがいれば、理想の住まいを実現することができます。

もし「こんな事が聞きたい!」というようなご質問があれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。

みなさんの理想を叶える家づくりのお手伝いができれば嬉しいです。

この記事の監修者

sugiyama

杉山幸治(株式会社SOWAKA)

一級建築施工管理技士

1977年生まれの瀬戸市育ち。建築工学科を卒業後ゼネコンに入社し、ビルやマンション建築の現場監督からはじまり、気付けば業歴27年。
20代はコンクリートと鉄骨に情熱を注ぎながら資格試験の勉強に没頭し、30代はコンクリートの社寺建築と木造での増築という難易度の高い現場などを経験しているうちに、どんな構造でもディレクションができるようになりました。中古住宅のリノベーションを軸に理想の住まいづくりをする会社の責任者として活動しています。

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