足し算
引き算
「+」と「-」は普段の生活の中でも使用する計算方法です。
愛知県名古屋市、尾張旭市周辺で、リノベーションを通して暮らしの提案をしているSUGICOの松本です。
暑さも本格的になり今日も暑い一日でした。
+ -
「+」と「-」といっても数字の計算についての話ではないです。
物の形を作る時に元の形から引いていって造形をするカービングと、付け足して形を作っていくモデリングがあります。
木や石を削るのがカービングで、粘土などでぺたぺたと付けていくのがモデリングです。
行為として、元の素材に対しての”足し算”と”引き算”となっています。
なぜ”足すこと”と”引くこと”について書くのか。
家造りは造形ではないので手法として、モデリングやカービングの話はあてはまりませんが、
ただ”考え方”の点で1つの提案になるかもしれないです。
どちらから考えるか
0や1に足していく考えと、沢山あるところから引いていく考え方があります。
『0をどの時点、どの状態とするか?』でも異なりますが、仮に引っ越したての部屋を0とした場合は、
そこに必要な家具が運び込まれて、空間の中に物が足されていきます。
新たに住み始める時の空間は0として認識すると思います。
リノベーションの工事というものは0から足されていくのではなく、
『人が住んでいる状態』から、内部の物や家を構成する要素を少ない状態まで一度戻して、”家の内容を再構築”するものです。
スケルトンといわれる状態です。
参考:[ スケルトン ]
物質ではなく思考を
部屋の中を考える時にはどんどん要素が増えていきがちです。
一生で一回しか行わないような大規模なリノベーションだと、どんどんと様々な要素がプラスされていきます。
先週のブログではホワイトキューブのことを少し書きました。[ ホワイトキューブ ]
何が主役か?は、暮らしの中では『そこに住う人』ですが、
空間として考えた時は部屋全体、家全体という大きな括りに包括され、
その中でのメインは椅子なのか、テーブルなのか、キッチンなのか、壁なのか、
ソファー、照明、ラグ、カーテン、などなど。
こだわりのポイントがメインになると思います。
便利な機能はあればあるだけ、やはり便利なことには変わりないです。
どんどんと要素が加算されていった時、
増えていったところからマイナスしていくことを考えると思いますが、
一度増えた希望はなかなか減らしていきたくはないものです。
簡単なことではないですが、スタート時の要望を主軸にして最低限のものを足していくことをしてもいいかもしれません。
ですが、
単純に+-を繰り返すのではなく、どんどんと考え方はブラッシュアップされていきます。
ばらばらだった要素も繰り返す中で1つのかたちにまとまっていきます。
そうしてまとまってきたものに、再度付け足したり、削ったりして、考えや要望はカタチになっていきます。
具体的な要素や希望の足し算引き算と、
考え方のカービングとモデリングの両方が、打ち合わせの中で起こっていると考えています。