ホワイトキューブ
白い箱?
白い立方体?
この言葉だけだとサイコロ状の真っ白な塊を想像するかもしれません。
キューブリックっぽい響きだからなのか、
”ホワイトキューブ”って何か未来感があるなと思ったSUGICOの松本です。
美術、アートの界隈ではよく耳や目にする言葉で、主に壁・天井が白く凹凸のないシンプルな空間で、
ギャラリーや美術館なども白い壁が定番で、
何でも受け入れてくれる、中に展示するものが一番見える空間ということで好まれています。
美術館の壁も基本的には白で、どんなタイプの作品でも受け入れることが出来るようになっています。
最近では、作品に合わせて壁の色を青にしたり、赤にしたりと、
作品の時代背景や、作品の世界観、作品の色を際立たせるように、
白以外も使ったりして空間を演出してあったりしますが、
白以外を使うような場合はその企画展示のためだけに選ばれることが多いので、
展示が終わり、次の展示に合わせてまた壁の色を変えたりしています。
「家」とは全く関係ない話かもしれませんが、
”白はどんな色や形も受け入れる”という点は、家の壁紙を選ぶ時に参考にすることが出来ると思います。
白い紙を一枚用意します。
その紙の上に何か物を置いてみます。
そうすると物を置いたまわりには白で余白ができます。
この余白。
空間の中に置かれた物のまわりを、余った白が縁取りや額縁のように囲むような感じです。
わざわざ枠で区切らなくても、
まわりの空間がシンプルな白であればそこにはもやもやと白い余白によるふちどりが生まれています。
だから、絵画に額縁をつけなくなったのかもしれません。
白
他の色と異なり、天気や光の影響で色味が左右されるのも白の特徴です。
石膏像といわれる、ギリシャ・ローマ、ルネサンス、バロックに作られた彫刻のレプリカは真っ白です。
なぜ白いのかというと、陰影が分かりやすく見えて光の方向や反射なども分かりやすく、
物の形態を捉えやすいから。
形を正確に描けるよう、空間を把握できるよう、なるべくそのままを写すよう、
デッサンでモチーフに使われるのはそのためです。
こちらはミケランジェロ作「ブルータス胸像」の石膏像のミニチュアです。
白は光を反射し近くの物も明るくなります。
本体も光を反射するので明るいし、まわりの空間も反射によって明るくなります。
繊細な現象が分かりやすく、そしてキレイで明るい。
明るさの点と中の物が際立ちやすいという点で、
壁紙に迷った場合の1つの選択肢になるのではないでしょうか。
一口に白と言っても、黄みがかった白、青みがかった白、蛍光ホワイト、グレーがかった白など色々あり、
さらに壁紙は表面のマチエールも様々で、その中で充分にこだわって選ぶことができます。
服を選ぶ時も合わせる色や物を際立たせてくれて、色数を少なくすればすっきりした印象になります。
同じように家や室内の場合にも、外からの光や、空間の中の形すっきりと見えます。
愛知県名古屋市、尾張旭市周辺でリノベーションを通して暮らしの提案をしているSUGICO、杉工建設では、
白い壁の割合が多いです。
明るく、そしてそこで暮らす人の生活の中に存在しながら過干渉はなく、そして物がきれいに見える白い壁。
家の主役はそこに住む人です。
白い壁は、生活に伴い変化する物事を変わっていくごとに受け入れていくのではないでしょうか。