愛知県名古屋市、尾張旭市周辺で、リノベーションを通して暮らしの提案をしているSUGICOの松本です。
今日、このブログを書いている日は、1日で数日分の天気の変化を感じた1日でした。
不安定な天気
今日は朝から強い雨が降っていて、道路は水たまりが多く、水しぶきを上げながら車で走りました。
雨の強さも一定ではなく、バラバラと大きな粒の雨が風により不規則に車体に当り、
一定ではない雨のリズムと激しい雨による視界の悪さ、道路に溜まった水でタイヤが不安定で、
今の世の中を表しているような天気だと感じました。
雨が弱まり、少し晴れ間も見えたかと思った昼過ぎ。
晴れたなと思ったのもつかの間、
また雨が振り出し、風も強く、打ち付けるような雨にさらされ、
そしてまた夕方頃には晴れ間がのぞきました。
今はまた少し雨が降っています。
最近の世の中といい、この日の天気といい、「不安定さ」を感じる今日この頃。
みんなが安心、安全、安定をより強く望んでいると思います。
立っている
「建物、建造物は立っていてあたりまえ。」
だからこそ人は安心して家で暮らしていると思います。
安定しているからこそ、安全で、安心して生活が出来る。
大きな自然災害時は別ですが、基本的にはみんなの生活の中では、
家や物が”立っている”ことに、疑問も驚きも感じずに生活していると思います。
ですが、大規模なリノベーションをする時には、その建っている家がどう立っているのかが重要になります。
”家”は時間が経つと歪みなどが生じるもので、部屋の端から端で床の高さが何センチも違っていることもあり、
当たり前だと思っている”まっすぐ”というものは、”いつまでも変わらない当たり前”ではないのだと感じます。
リノベーションでは、新しく家を建てるのではなく、既に建っている家を大きく改修し、新しい暮らしの空間を作ります。
いい意味でも悪い意味でも、時間の経過を経ているので、経った時間のなかでの変化は生じています。
そのためリノベーションの際は、ただ「中を見栄えよく綺麗にする」のではなく、
安心して暮らせるように、家を安定させる工事もします。
不安定な今だからこそ、「ただ映える家」よりも「安定した家」に、より価値を感じます。
物が自立していることの凄さ
人間が2つの足で立っている。
当たり前に思っていますが、実は結構すごいことだと思っています。
ふと見回すと、
コップや分厚い本、椅子、机。
その中で、人のように地面との設置面積が少なく自立している物の多くは、4本の足によって立っています。
箱形の棚や本、椅子、机などは、見た目も安定感があり、不安な感じはしません。
机や椅子を支える棒状の部分を、「あし」と呼ぶのは、人に近い存在だと感じるからなのかもしれません。
2本足で立っているものは身の周りでは、人以外パッと思いつきませ
(人や生き物を模したものだといくつかありました。)
2本の足で自立しているものは、絶妙なバランスで立っているので、簡単に倒れてしまいます。
自力で何かを作る時、支えなしで
裾広がりの形にすれば、上の方が多少歪な形でも支えがなく自立します。
ですが、
2本足で自立する形をつくろうとすると、
例えばマネキンは足とは別でステンレスなどの棒が円や四角の板に
それぞれの足の中に金属製の棒が仕込まれていて、
まるで2本の足で立っているかのように。
人間はまっすぐ2本の足で立っているようで、実はふらふらとバランスを常にとっているので、
”安定して立ってる”のではないですね。
人は色々な意味で不安定なもののような気がします。
求めるもの
心理的に、世の中の情勢と逆のものを人は求めるといいます。
安定している社会では、過激で自由奔放で、不安定な表現が求められ、
不安定な世の中では、安定感のあるもの、均等なバランスの表現が求められます。
人によって様々ですが、”しっかりと安定している形”に、今はより魅力を感じるのではないでしょうか。
家というのは2本の足で立っているわけではなく、構造があり、壁があり、
物体が支え合って立っているので安定していますが、
倒れそうなときに、手を伸ばして支えることは出来ません。
だからこそ、安心して安全に暮らすためにも、
”家の安定”は大切なのだと思います。