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住まいの古くからの習慣

2020.08.19 - BLOG

住まいの古くからの習慣

みなさんこんにちは。

尾張旭市で想いに添った暮らしの提案をしている、

SUGICOの青山です。

 

 

家へ帰ったとき、当たり前の様に靴を脱いで

上がり框を跨いで家へ入っていきますが、

これには古くからの習慣が関わっていることをご存知でしょうか。

 

 

外と内の違い

日本では古くから、

外は煩わしいもの・ことを身にまとってしまう世界

という風に言われています。

そのため、煩わしいものを家の中へ持ち込まないために

靴を脱いで家の中へ入っていました。

その習慣が残り続け、日本では靴を脱いで

家へ入るというのが当たり前になっています。

外は煩わしいものが溢れる世界、

内は清い世界と区別されていたために、

玄関と部屋の境に設けられる上がり框が

一つの結界として扱われていました。

 

 

内へ穢れを持ち込まない

まだ靴が無かった時代は草鞋を履いていました。

草鞋を履いているとはいえ、

今の様に道路が舗装されているわけではありませんし、

草鞋も完全に足元を覆ってくれるものではないので、

外へ出れば足は汚れてしまいます。

その汚れた足で框を跨ぐのは

外の穢れを持ち込んでしまうということで、

昔は土間で足を洗ってから上がっていたそうです。

 

現在では「足を洗う」という言葉が

別の意味で使われることもありますが、

その言葉はここが語源だと言われています。

 

また、昔は畳が主流で、

畳にお膳を置いて床座で食事をとったり、

布団を敷いて寝たりしていました。

いくら足を洗っているとはいえ、

汚れた足で生活をする畳へ上がるのは

失礼にあたるということで、

足を洗った後は足袋を履いていたそうです。

今でも裸足で家に上がるのは

マナー違反とされていますね。

 

そしてここでも、敷居という襖のレールが

一つの結界として扱われていました。

今でも敷居や畳のヘリを踏んではいけないと言われるのも、

このことが由来の一つと言われています。

敷居を踏むと音がたつので、

床下から忍者に刺されるという話も聞きますよね。

 

 

住宅様式の変化

明治時代に入り、海外の文化が少しづつ取り入れられ、

草鞋ではなく靴を履くようになりました。

靴を履くということは足袋を履くことが無くなります。

 

家へ上がる際に裸足にならなければいけなくなりましたが、

裸足で家へ上がるのは失礼だという思いが強くあった結果、

日本でも土足で家へ上がるようになったそうです。

その頃の建物は海外の様に土足仕様になっていたようです。

 

しかし日本の文化的にもそれは長くは続かず、

明治維新が起こった後には今でいうスリッパが発明され、

裸足でなくても家へ上がれるようになったことから、

今の様な靴を脱いでから家へ上がる

という生活に戻ったようです。

 

 

考え抜かれた住まい

日本は伝統を重んじる国だと言われています。

先祖代々の教えをきちんと守ってきたからこそ、

今の住宅の形があるのではないでしょうか。

住宅に限らず、生活の知恵や道具、マナーなども、

昔の人から教わってきたものも多いはずです。

 

少しづつ住まいの形は変わってきていますが、

基本となる様式は私達の知らない時代に

日本人によって考えつくされた様式なのかもしれません。

 

 

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