愛知県名古屋市、尾張旭市周辺で、リノベーションを通して暮らしの提案をしている、
SUGICO、杉工建設の松本です。
暑い日が続きますが、今日は夕方からの雨のお陰で気温がぐっと下がり、
風が涼しく心地よい夏の夜を感じます。
夏の涼しさといえば何でしょうか?
今ふと思いついたのは「ひぐらし」でした。
ひぐらしの声を聞くと夏の夕方を感じます。
今住んでいるところでは、なかなかひぐらしの声を聞くことはないですが、
本物ではなくても、映像から聞こえてくる声でも十分に夏を感じます。
ひぐらしは真夏の夕方に聞こえるイメージがあるのですが、
実際は初夏の虫らしいですね。
Wikipedia情報ですが、日の出、日の入り、曇って暗くなった時、気温が下がった時などに鳴くらしいです。
”暗くなりかけ”、”薄暗さを感じる時”に鳴く虫の声だから、
「ほの暗く少しひんやりと涼しい」記憶に残っているのだなと思いました。
実家の裏に神社があり、
夏場はずっと何かしらの声が聴こえていました。
朝、午前のある時間帯からミンミンゼミが鳴き始め、
一匹を筆頭に、どんどん鳴き始めます。
夕方、帰ってきて夕ご飯の準備をしている時間帯。
その頃にはひぐらしが鳴き始めていました。
真夏の夕方に鳴き声が聴こえていたということは、
鳴き声の主は気温が下がり太陽が落ちて涼しさと暗さを感じていたのだという事。
鳴き声が思い浮かんだ記憶の、
そのシチュエーションの肌で感じた空気感までがわかってきます。
より一層薄暗くなった神社の杉の木から高音の涼しげな音を発していたのだなと想像し、
今まで以上に、夏の湿っぽく暗さを感じる神社が脳内に浮かびました。
実家のなかで、なぜか「玄関」の存在が夏と結びついています。
冬場は寒く、駆け足で家のなかに入りこたつへまっしぐらだからでしょうか?
冬はあまり玄関のイメージがないです。
セミや蝶々、蛇の抜け殻など、大小様々なガラス瓶に入れて置いてあり、
他にも様々な何かわからない物体が置いてあったり、ドライフラワーともいえない謎の草や植物などが吊るしてある玄関でした。
これは木製の歯車と木の何か。
これは本当に一体何なのか。何を意味しているのか。
謎です。
ただ何かはわからないけど案外悪くない。
元々は別の物のはずなので、
何を思ってこの組み合わせになっているのか。
そしてこれは一体誰が何のために行っているのか?
謎
と思いきや、
謎の物体や用途のないものは、家族が知らない間に母親の手により地味に並び替えられていて、
定期的に入れ替えも行われていたようです。
どこから来て、どこへ行くのか?
今度あった時に聞いてみようかなと思います。
玄関付近には壁つけの本棚もありました。
玄関と夏が結びついているのはなぜなのか。
思い返すと時間のある夏休み。
玄関の本棚は親のものだったので、好奇心からこっそり読んでいました。
玄関と夏、少しの仄暗さのイメージは、
子ども向けではない本を、電気をつけずに玄関近くでこっそり読んでいた記憶からなのかなと思います。
怖いもの見たさで、水木しげるの妖怪の本や古い図鑑、何かの専門書や何とか大全集。
背伸びをした自分に酔いしれる部分もありつつ。
妖怪の本を読んでしまったせいで、一人で2階に行けなくなったこともあったなと思い出しました。
玄関の色々な物が置いてある棚は私の心をくすぐり、
密かにお気に入りの置物があってこっそり自分の机に持ってったり、
凝視することが怖い物もあったりと、好奇心と蒐集心を刺激する空間で、
今の自分を構成する要素だったのだなと感じます。
大人になってからの”家”という空間も日々過ごす上ではとても大切ですが、
子どもにも大きな影響を与えるのだなと、自分のことを振り返り感じました。
最近、自分の住んでいる家の中でゆったりと過ごすことが少なくなっていたので、
このことを思い出し、有意義な時間を過ごせる空間を意識して、部屋の棚に置かれているものがよく見えるように、
まずは掃除からしないと行けないなと思いました。