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レシピと設計図

2020.05.23 - BLOG

愛知県名古屋市、尾張旭市周辺で、リノベーションを通して暮らしの提案をしているSUGICOの松本です。

 

 

 

「何かを作りたい」と思った時、何から始めるでしょうか?

 

たとえば、料理。

 

作ったことがない物ならレシピを探す。

調べたレシピで足りない材料をスーパーに食材を買いに行き、

レシピを見ながら料理をする。

作ったことがあるものならレシピ分の手間が省かれるので、足りない材料があれば買い物にいく。

そして食べる。

 

 

では棚の場合はどうでしょうか。

 

どんな物を作るのかで、必要な材料は違います。

ここは料理と一緒。

料理のレシピほどではないですが、簡単な棚であればDIYの本やネットでも作り方が載っていて、

その多くは、イラストや写真の解説が工程順に書かれているものです。

設計図では分かり辛いから、やり方が分かるように、伝わるようにと工夫されています。

 

簡易的な物であれば強度などを、そこまで気にすることはないでしょうが、

一時的ではなくある程度は長く使う物となると、どんな物が置けるのか?どれくらい耐えれるのか?

そういったことが重要になってきます。

 

 

作り方


 

『レシピ=作り方』という点では、

設計図も、『作るのに必要な説明』というところは『作り方』と同じなので、

レシピに該当する部分かもしれません。

ですが、設計図というのは時系列に手順を解説しているのではなく、

「物」を作るための詳細な図での解説という感じでしょうか。

図で表現されていますが、記号に近い表現ではあると思います。

 

”作る技術”や”道具”があるのが前提ですが、それを見ればどんな物かが分かる上に、

それを見れば作ることが出来る凄い物です。

 

 

 

 

 

 

昭和61年の広辞苑第三版では、

”設計図=設計した構造・形状・寸法を一定の規約に従って書いた図面”

と書かれていました。

 

 

同じ「形」を作るにはどんな素材でどんな大きさで、どんなように作られているのかが解らないといけない。

それが伝わるように書かれているのが、設計図です。

 

 

レシピでも、

”1.5センチ角”、”みじん切り”、大さじ○杯、”少々”など、

大まかな形状寸法(量)の指定はありますが、設計図ほど細かくはなく、

料理で、

H45㎜×W65㎜×D55㎜豆腐(直径100㎜ 、H150㎜の皿の中央合わせ)

上面に7mm幅の青ネギ(φ45)11個 中央30mm×30mmの枠内にランダムに配置

などとは書かれることはないと思います。

 

薄切りや盛りつけによっては、㎜単位で気にすることもあると思いますが、

一般的な料理の場合はそこまで細かくないため、設計図の必要はないのです。

 

 

作った料理は同じ形を維持し続ける必要はなく、

お味噌汁はわかめや麩や豆腐が浮かんでいるし、味噌も下の方に沈殿するので、

食す時に少し混ぜたりします。

 

汁物は流動的ですが、料理自体が完成後には変化していくもので、料理自体が流動的なものとも言えると思います。

 

食べ進めれば量は減っていくし、最後にはなくなってしまう。

完成した時から最後(食べ終わる)まで、同じ形を維持し続けるものではなく、

玉子チャーハンのお米と卵の距離は、食べているうちにくっついたり離れたりします。

例えどんなに設計したとしても、一瞬で変わってしまうのです。

 

 

図面


 

図面があるような物は、

長く同じ形を保ち続ける必要があり、それぞれのパーツや素材、部材がほぼ固定化されているものです。

動くにしても、互いに干渉しあい一定の状態を保つようになっているので、

全体を通して長く形を保ち続けれるように、設計図は存在しているのだと思います。

 

図面自体は紙に印刷されているものですが、そこに書かれている線一本に意味があります。

線を動かすことは簡単そうに思えますが、実際のその線は家を構成する大切な柱の線かもしれません。

その線を動かすことで、実際の作業が大きく変わることもあります。

 

設計図の向こう側には、様々な材料が技術、構造や形状、寸法が密接に絡み合っています。

 

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