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”場所には記憶が宿る”という一文から家について考えたこと。

2020.03.07 - BLOG

愛知県名古屋市、尾張旭市周辺で、リノベーションを通して暮らしの提案をしている杉工建設(SUGICO)の松本です。

 

先日本棚を整理している時に学生時代のドローイング帳という名の『何でも帳』が目に留まり、久しぶりに見返しました。

 

授業の内容、落書き、バイトや講義の予定など、紙に書かれる全ての内容が混在していて、

内容も情報が整理されていなくてとても分かりにくく、

罫線もマスも何も入っていない紙の上に、縦にも横にも斜めに、

まっすぐに書くための基準なんていうものが存在しない紙面の上に書き殴られていて、

全てがとても読みにくいものでした。

 

その中でふと目に入ったメモの塊がありました。

 

 

 

”場所には記憶が宿る”

場所によって思い出される記憶や感情がある。

写真には、画像としてしては残るけど、匂いや温度、体感したことは直接は残せない。

 

 

この一文と一緒にページ数も書かれていたので、多分本を読んで書いたメモだと思うのですが、

肝心の本のタイトルを、当時の私は書いていない。

 

どういった内容の本だったのか?

作者は誰なのか?

今になって、この短いメモの全貌が知りたくなりました。

この一文が載っている本に心当たりがある方がいましたら教えて欲しいです。

 

 

過去のなんでも帳

 

思ったことや授業での大事な点、何かの構想など。

とりあえず紙の束の中に溜め込んで、何のためになるかもわからないような色々。

その時に書き留めた一つの言葉。

 

”場所には記憶が宿る”

 

その後の自分の頭にも確実に引っかかっていた言葉ではあったのですが、

頭か心のどこかに引っかかり忘れないように紙にメモした事が、今の自分の考えに影響を与えている。

そのことが実感でき、自分の行為が成果というと大げさですが、今につながっていることがわかり得をした気持ちになりました。

 

いつ?どこで?この言葉と出会ったのか?

 

記憶は曖昧で、私は授業での先生の話だったような気がしていました。

もしかしたら私のメモは、その話を受けての同じような言葉を見つけたからメモをとったものだったかもしれません。

 

何となく思い出した内容は、

『旅先で感動したから写真を撮った。その写真を見て色々思い起こすことはあるけど、そこで体感した感動を写真で追体験することは出来なかった。』

そんなようなことを言っていたような気がします。

 

体験したことは、外部媒体に記録としては残せてもその感動は自分の中にしか残らない。

そう考えると、日々体感する身近な場所(家)は繰り返し繰り返し、自分の中にそこでの体験が刷り込まれていくのではないかと思えます。

 

どうせ自分に刷り込まれるのなら、良いものが自分の一部になった方がいい

 

上を見るとキリがないことですが、今より良くすることは出来るのでどこが改善されると暮らしやすく、豊かになるのか?

結局そこに戻ってきます。

 

 

場所と記憶

 

インスタレーションというアートの手法では、どんな場所なのか、どこなのかもその作品の重要な一部であり、作品を構成する大事な材料です。

廃校になった小学校に置かれている椅子と、亡くなった祖父の部屋に置いてある椅子では喚起される記憶が違ってきます。

作品として人に何かを伝えるための物と、実際に日常生活で使う自分のための物とでは、実用性の点では別物ではあるのですが、

家も公園も、山も旅先、仕事場にもそれぞれ記憶が宿る。

 

そんな感覚や意識を忘れずに、家という場所を考えていきたいです。

 

 

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