建築家と建てた木造戸建て住宅。
生活スタイルが変わってきたことに伴い、2階にある寝室を1階におろし、現在離れて暮らすお子様が後々2階で暮らせるようにしたいと改修のご依頼をいただきました。
初めての打合せではお施主様のご要望や生活スタイル、趣味や好きな物など、こちらからお聞きしお話させていただくことが多いのですが、
Y様と初めてお会いした日、Y様は改修についての話はもちろん、弊社の仕事に対する考え方や建築に対する思い等を多く質問されました。
お話を伺っていくと、お住まいをとても大事にされていて、長く付き合っていける、家を診てくれる地元の工務店にお願いしたいと考えていらっしゃったとの事。
弊社の建築への考え方や、現状のお住まいに対しての改修提案に共感を頂き選んでいただけたとのことで、とても光栄に思いました。
Y様はご高齢のお母様と一緒にお住まいで、1階にはダイニングキッチンと居間、二間続きの和室とお母様の寝室がありました。
ご夫婦の寝室を1階に確保するため、二間続きの和室を一つにし、和室に隣接する居間をLDKとする提案をしました。
LDKを広くする為、和室を二部屋とも無くしてしまうことも考えられていたのですが、他界したお父様が気に入っていた和室への想いが深いことや、思い出まで変えてしまうとお母様が混乱されるのではないかとの懸念があった為、一室は残すことを提案。
工事過程でも、改修部分を一気に解体して進めるのではなく、一室ずつ順番に、高齢のお母様も変化に対応できるようにと考え進めさせていただきました。
お母様がデイサービスにお出かけになる際は「いってらっしゃい」とお見送りをし、帰宅時には「お帰りなさい」と毎日一言声を掛け、人の出入りが多くなる事に対しても安心して過ごしてもらえるようにと配慮しました。
経過した年月の風合いを壊さない様に。
改修し新しくなった部分が浮かないような仕上げを考慮し施工。
珪藻土仕上げの壁にテクスチャーパネル目透かし張りの天井。
和の趣を感じる空間に、キッチンハウスのオーダーキッチン。
これからも時の流れをゆっくり愉しむ住まいができました。