愛知県名古屋市、尾張旭市周辺で、リノベーションを通して暮らしの提案をしている杉工建設(SUGICO)の松本です。
先日、椅子を買いました。
柏木工の椅子です。
飛騨の木工家具を製作している、KASHIWA。
木の製品は小さいころから身近にあったので、みつけて少し懐かしくなり衝動買いをしてしまいました。
手のひらサイズの椅子を。
実際のサイズは65×65×65………mm。
決して自分が座ることが出来ないサイズの椅子です。
まとめて5個購入してしまいましたが、
5個ではなく5脚と言いたい。
でも椅子を5脚も置けるスペースがないので、手のひらサイズのミニチュアで我慢。
リートフェルトのレッド&ブルーチエアもミース・ファン・デル・
と言いたいのですが、
本物をコレクションできるような広さのある家に住めたらなと思います。
大きさが変化した物
”実際に存在している物を小さくした物”というのは、
小さなミニチュアがそのままで通常のサイズだとすると、まるで自分が大きくなったような感覚になる。
自分が小さくなったり、大きくなったりする想像をしたことがあるのではないでしょうか?
重さの印象や素材の印象も、樹脂で出来ているミニチュアはフェイクではあるので違ったものになりますが、
『形を模した物』として、また別の魅力も生まれます。
大きさが違うと印象も変わります。
ジェフ・クーンズというアメリカのアーティストは、捩じったバルーンの形を金属で大きくした作品を作ったりしています。
”大きさ”や”素材”が違うと受ける印象は変わるけど、元々の形だからこその面白さがあります。
柔らかいはずのもが固い、小さいはずの物が大きい。
その違和感が面白い。
その中でも大きいものが小さくなっている”ミニチュア”はミニカーや人形など、小さいころから私たちの身近にあります。
人形に感情移入したり、怪獣になったつもりで車を動かしてみたりと。
眺めて、愛でる
手に入れた、手のひらに乗る椅子。
簡単に持ち上げることが出来て、下から、横から、ぐるっと、上から、斜めから、どんな角度からも自由に見回すことが出来、
大きさが小さいので足も細くなるのですが、放射線状に並ぶ背もたれの木や自立している足が良いです。
「椅子」を取り巻く空間は、
周りの空間全体を意識することが生活の中では少ない他の物に比べて、愛でられる家具なのではないかと思います。
平たい面を求められる机に対して、椅子は人の形にそうように、人という凸が収まる凹、人がいるから考えられ出来ている形。
たくさんある家具の中で、椅子は人にとても近い物。だからこそ魅力を感じるのかなと思いました。
生活のなかで
座ってこその椅子。使ってこその道具。
[物~人が触って使う範囲]が道具としての空間。
ですが、考え抜かれた形というのは道具の空間を飛び出ても形を楽しめるものです。
座るための椅子に敢えて座ることなく離れたところから眺めて形を
そんなこともあっていいと思います。
もし本物の椅子を買うのならどれにしようか?どの色にしよう、
どんな部屋に置こうか。
想像も広がります。
私が買った、小さな手のひらに乗る大きさの椅子は、
小さい物は実物と違って簡単に動かすことが出来るので、
見立てで狭い棚の中に山の風景を持ち込むことも、
ミニチュアなので実際の部屋には関係ないですが、
昔は庭があるのが当たり前だったのが、今では手入れも大変で、
ですが手入れは大変でもやっぱり緑のある生活は落ち着く。
少ない水で育つ植物も多く、先日雑貨屋でフラスコに乗っている観葉植物を見て私も欲しくなりました。
好きな物を飾って眺めている時、服でも物でも生き物でも、
買ったことで欲は満たされ、その後愛でて楽しむ。
やらないといけない家事、生活を支えるための仕事。
そんな中で生活に色どりを与えてくれる何かがあると、充実していると感じます。
家づくりでも、部屋作りでも、気を抜ける空間があるといいなと思います。
好きなものに囲まれている、好きなものが一つ置いてある、
等。
人それぞれ違いますが、そんな時間を持てる空間が”豊かな暮らし”につながるのかなと感じました。