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発見は解体から

2018.05.19 - BLOG

発見は解体から

こんにちは。

SUGICOで設計を担当している、青山です。

 

5月ももう後半に入りますね。皆さん、ゴールデンウィークはどうでしたか?

私はとても楽しいゴールデンウィークを過ごしたので、またゴールデンウィークが帰ってこないかなあと時々思います。(笑)

 

 

さて、今改修中の物件があるのですが、この地域の木造住宅ではよくあるケースなので、

これから少しずつレポートをしていきたいなと思います。

 

その物件は築40年の店舗併用住宅です。

 

 

まず改修設計の仕事としては、既存建物を把握をすることから始まります。

既存建物の調査をして図面をもう一度修正するということなのですが、まずその時点でとても苦労しています。

 

このくらいの築年数の建物だとほとんどの場合が、図面に書かれている通りに建物が建っていないのですが、

この建物も同じく、驚くくらい、元の図面と形が変わっていました。

 

元々は木造2階建てだった建物ですが、その隣に鉄骨構造で1階を、そして、

その上に木造で2階を乗せて、2階建てとして増築しています。混構造と呼ばれるものです。

その増築された部分もきちんと図面に記されているのですが、

その後に部屋の一部をリフォームしたようで、図面と違う部分が多く出てきました。

 

 

 

図面上は、ドアが付いているのに実際は外されて壁になっていたり、柱を切ってドアが入れられていたり、

畳を剥がしてフローリングが張られていたり。

実際に見に行くまで気づかない部分が多々ありました。

それから、区画整理が行われていて、敷地が削られている分、図面よりも道路が近くなっていました。

 

 

 

それらの部分を図面に書き直し、しばらくしてから、解体の始まった物件を確認しに行きました。

 

そしてそこでも私にとって驚くことだらけでした。

おそらく、4月に入社したばかりなので、お客様の目線に一番近い状態だと思います。

 

壁の中からタイルと窓が出てきたり、建物を支えている大切な柱が切られていたり、

大きな力が加えられている梁の下に柱がなかったり、部材のつなぎ目部分が隙間だらけだったり。

 

また、図面に書かれている柱の間隔と実際の柱の間隔が全く違っていて、
何度も実際に寸法を測って図面を書き直し、また測っての繰り返しでした。

 

 

新入社員で設計業務の私へ話が来る時は、ほとんど話として決まっている状態です。

解体する前から状況が把握できていて、計算されていると社内で聞いて更に驚きです。

教科書には書いていない改修の現場は毎回が勉強です。

 

 

 

 

 

解体された壁の中から出てきたタイルと窓。

 

切られてしまった柱。

 

 

 

 

 

 

私たちは間取りや内観の変更だけでなく、構造的な部分も修正しています。

柱が足りない場合は柱を入れ、耐力壁を配置します。

床の水平がとれていなければ、建物のフレームを組み替えます。

 

 

まずは、最初に建物を建てる人が、きちんと正確に建物を建てるのがあたりまえの事ではあります。

しかし、そうでない場合や、きちんと作られていても、劣化してしまう場合もあります。

そのような部分を直していくことも、リノベーションの内の1つだと、私は考えています。

 

よく弊社の事務所では建物の外と中を別物と考えて、まずは構造のフレーム改善計画から始まり、

スケルトンとインフィルとデザイン、ファサードを順に考える会議をしています。

 

見た目だけを良くするのではなく、中の見えない部分もきちんと改修し、安心して住んで頂けるようにする。

そういう気持ちでリノベーションをしていきたいです。

 

 

 

次回は、改修が進んだ部分についてのレポートをしたいと思います。

 

 

 

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