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家の記録と記憶

2019.12.23 - BLOG

名古屋市、尾張旭市周辺でリノベーションを通して暮らしの提案を行う、杉工建設の松本です。

 

先日2年前にリノベーションを行った御宅の写真撮影がありました。

 

当日は雨模様でしたが、ご自宅前の木が紅葉していて、

手入れはひと手間かかりますが、季節を感じる木があるのは素敵だなと思いました。

玄関アプローチは元からあった階段を残されていて、

角の丸い階段にモザイクの淡い色合いが柔らかく温かみがあり、

今では珍しいレトロなタイルは、他では見られないのでより唯一性を感じました。

リノベーション後2年以上経っていますが、とてもきれいで、日々手入れをし大切に暮らされています。

 

リノベーションでは、がらっと家のイメージを変えることができますが、

元の部分をどう生かすのか?どこを残すのか?

新築で家を建てることとは別の楽しみ方があります。

 

 

記録に残す

 

家があり、そこに人が住んでいる。

家族で暮らしている。

旅行先や季節のイベント、誕生日や行事などで写真を撮ることがあるかと思います。

写真を撮り、思い出を目に見える形にして残す。

形がないものを常に意識しておくことは簡単でなく、どうしてもあやふやになり忘れやすいので、

記録装置としての写真はとても便利です。

 

家の写真を撮ることは、そこでの暮らしを記録すること、

思い出を目に見える形式で残すことだと感じました。

 

写真があることで、それを見ていると昔のことを思い返したり、

この先の未来、あの時はこうだった、こんなことがあったと振り返ることもできます。

 

 

 

写真の活用

 

写真として記録することは他にもメリットがあります。

 

家は一つの暮らしている空間ですが、家の中を一目で見ることはできません。

壁もあるし屋根もある。天井もあって、それぞれの部屋も区切られています。

 

記録にしなくても「印象」で把握することは可能ですが、

服のコーディネートのように、全体のバランスでイメージを統一する場合には、

全体を通して撮った写真は、客観的に部屋を見ることができます。

 

今の時代、写真は自分の情報発信の手段として、SNSなどで活用されていますが、

記録装置として、全体を把握するための細部を集める作業にもとても便利です。

模様替えの際にも写真を撮ることで、客観的に見えてくる部分もあります。

 

家や部屋のレイアウトやカラーリング、インテリアなどに迷った時に、

部屋を色々な角度から複数写真を撮り、並べて見てみてください。

 

 

記録、記憶を引き継ぐ

 

今はファストファッションなど、安く早いサイクルで変化している物が多く、

現状は建物も古くなったら壊し、新しいものを建てるという流れがあります。

 

しかしこれから先は『ストック型社会』を迎えます。

価値あるものをつくり長く大切に使う社会のことで、

ユーズド、リサイクル・リユースなどの循環型の消費スタイルです。

住宅の7.5戸に1戸は”空き家”の日本なので、今ある住宅を長く大切に使っていく時代です。

 

自分なりの価値観で「いいな」と思える家を探して、手を入れながら大切に使い、次世代へ引き継いでいく。

大切に手入れをしながら使えばその物の寿命は確実に長くなります。

参考 リノベーション協議会HP https://www.renovation.or.jp/renovation/stock/

 

 

冒頭で書いた御宅は、旦那様のご実家でした。

 

 

一階部分の大きな湾曲したガラスが目に入り、元々も店舗として使われていた空間で、その大きなガラスも当時からのものです。

家の顔となる正面には、大きなガラス、紅葉する木、タイル張りの階段が残っており、

室内は階段や洗面所の場所など、大きく変化していますが、

部分的に残された当時の形と、今の新しい暮らしが共存している御宅になっています。

昔からあるものを大切にしながら今の暮らしをする事で、

確実にその価値観も次の世代に引き継がれていくはずです。

 

リノベーションをして住む家は、必ずしも自分と繋がりのある建物とは限りませんが、

家を選んでいる時に、そこから見える風景や、立地、扉の形、建物の佇まいなど、

何かを気に入って選ばれると思います。

気に入った部分があれば愛着も湧くし、何もないよりも大切に出来ると考えています。

 

すでにそこにある物と自分たちの新しい暮らしを合わせて、長く大切に過ごしていける家にできるよう、

私たちはお力添えしていきます。

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