こんにちは。
名古屋市近郊で、リフォーム、リノベーションを提案している杉工建設の寺島です。
皆さんは、今までどのような家に住んでこられましたか?
面接で職歴や学歴は尋ねられても、住居歴を聞かれることはまずありません。
しかし、あらためて振り返ってみると「あの時こんなことをやってたなぁ」という思い出には当時住んでいた家のイメージが重なっていることが結構あります。
私も色々な家に住みましたが、特に思い出に残っているのは幼少時代を過ごした団地です。
今は少子高齢化で空き家が目立っていますが、当時は高度経済成長とベビーブームが重なり、団地は子どもであふれていました。
全国から集まった「遠い親戚より近い他人」がお互いに助け合いながらコミュニティーを作り、集い、井戸端会議に花が咲きました。
家が狭いので子どもたちは外に出て遊び、孤立することなく、外に出れば誰かいるという安心感がありました。
また、壁を通して周囲の声や物音が聞こえるので、常に住人の気配が感じられました。
そのため、ピアノを弾く時も周りに対する配慮が自然に出来ていました。
当時の団地には、現代版長屋のような雰囲気があったのです。
多少プライバシーがなくても、様々なコミュニケーションの中で「社会の子ども」として育てられたことは、私にとって大きな意味があったと思います。
団地自体が一つの大きな家で、その中の一室に暮らしているような感覚は、集まって暮らすことへの原風景になっています。
住宅を考える時、あの頃の団地の光景の中にヒントを見出せそうな気がします。
気配を感じながらつながっている感覚、プライバシーを確保しつつも完結しない個室、そして様々な状況に対応できる柔軟な心…。
お客様の家の思い出も、いつかお聞きできたらいいなと思います。