愛知県名古屋市、尾張旭市周辺でリノベーションを通して暮らしの提案をしている杉工建設、SUGICOの松本です。
以前、「壁」というテーマでブログを書きました。(2020.2.07スタッフブログ:壁)
建物には欠かせないこの「壁」ですが、リノベーションなどの空間作り際に壁は最初に考える部分ではなく、
動線と動作空間で考えられています。
構造上動かすことの出来ない壁以外は、どう空間を使うのかに伴って変わってくるものです。
戸、ドア、扉
今、室内にいる場合は必ずどこかに壁は存在していますが、壁に囲まれている家や部屋へどのように入ってきているでしょうか。
何かしらの「出入口」とされるものを通って室内に入ってきていて、
何かしらを引いたり開いたり、押したりして出入りをしていると思います。。
柱があって屋根があり、壁が出来て、
開いたままの開口部を内部が見えないように、
家の中にも戸、ドア、扉は色々な所についていて、
人の出入りのための物と、物の出入りのための物があります。
収納という機能
物の出入りのためについている扉というと、冷蔵庫や戸棚、押し入れなどが思いつくでしょうか。
冷気を保つためについている扉、埃が入らないようにするための戸、
使わないものが埃をかぶらないように仕舞っておくスペースを仕切るための戸や扉。
塞がれているその空間。
こちら側からは扉の向こうは見えません。
物を仕舞っておく場所は必要です。
ですが、
古いもの
”押入れ”
字だけ見ると押して入れるという、名前の通りの動作が見える用途の収納スペースがあります。
簡単な動作で入れることができる分、
”引き出し”
言葉が全てではないですが、
物を入れる動作だけなら引き出しも、
行為がそのまま名前になっていて分かりやすく、物の名前は面白いなと感じます。
収納するための家具というと、タンスや引き出し、
リノベーションをする際には新たに収納スペースを作ることがよくあ
作り付けの棚や広い収納スペース。
見せる収納も素敵ですが、
外からは見えないようにすることが多く、
リノベーション時に作られる、ウォークインクローゼットやパントリー、
「ウォークインクローゼット」は字の通りに、『
外側から仕舞うためだけの空間に物を入れるのではなく、
歩いて入っていくために通路が必要になるので、
布団を仕舞おうと思った時は、大きく場所をとるのでがばっと押し入れる部分も必要で、
物をしまう場合、大きさの大小、堅いもの柔らかいもの、使用頻度の違うものなど、同じ収納ではまとめることが出来ない物が混在しています。
そのために収納場所の中も空間として考え、使いやすいことが大切です。
古い家屋を見ると、
蔵は生活空間とは離れて独立している収納空間で、
押入れも部屋の一部ですが、独立した部屋ではありません。
その中で納戸は家の中に部屋として独立した収納空間があります。
服や物を置く部屋で納戸は居住に向かない部屋のことを納戸と呼んでいるので、
何でも空間ではあります。
どうしても日当たりの悪い部屋が出てきてしまうので、それを逆手に保管庫として使ったりもしています。
この「納戸」を現代的な解釈をしているのが「ウォークインクローゼット」や「パントリー」なのではないでしょうか。
収納する場所と方法
パントリーやウォークインクローゼットで画像を検索すると、明るくきれいに整頓された写真が出てくると思います。
パントリーは食品や食器、調理に関わるもの。
ウォークインクローゼットは衣服やカバン、靴など。
クローゼットの中には使わない家電や道具、日用雑貨のストックなど。
使う用途で間取りや棚の形も変わってきます。
物をしまう空間は扉や戸で区切り見えなくすることで、部屋がすっきりします。
ですが隠し見えなくするという事は、外からは見えなくなり”扉や戸を開ける”という行為がついてきます。
頻繁に取り出すものや行き来がある箇所は、面倒になり開けっ放しにしてしまうかもしれません。
個人個人の性格も関わってきます。
家の中には確実に仕舞っておきたい物がありますが、物によっては扉のむこうに置いてしまうと使いづらくなる物もあります。
新しく収納を考える際、そこには「何を入れたいのか」を考えることから始めるといいと思います。
そして「使う頻度」を考えると、扉の向こうがいいのか、見える所がいいのか、最適な置き場はどこなのか。
そしてそれは「どんな物なのか」。
参考書なのか、思い出のアルバムなのか、日用品なのか。
どこに近いと使いやすいのか。
「とりあえず収納がたくさんあるといいから」という考えだと、結局物を押し入れるだけの空間になってしまいかねません。
あって困ることはないですが、収納した物を把握しておける大きさが理想だと感じます。