こんにちは。名古屋市、尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をする杉工建設の松本です。
曇った天気でも風景に色を添えている紅葉ですが、寒さもすすみ葉が散り始めている木もあります。
杉工建設のある尾張旭周辺でも紅葉している木を見て、色が変化していることでようやく広葉樹が植えられていたんだと認識しました。
1週間前ほどには城山街道沿いの街路樹が緑や山吹色、紅色や明るい赤色など変化しつつある色味とその濃淡がきれいで、
一本の木の葉の中に様々な秋の色が混ざり合い、普段は見えにくい葉の重なりが色の違いにより浮き上がっています。
先月末には、なぜそのグラデーションになっているのか、色の変化も各々異なり片面は緑のままもう片方は紅葉している木もありました。
不思議です。
見慣れたもの
見慣れた色とはちがう色になることで、普段とは異なる見え方が発見される感覚は現代美術でも感じます。
青一色で様々な物を青く染めたイブ・クライン。(インターナショナル・クライン・ブルーという色の名前にもなっています。)
本人の意図とは違ってくるところはありますが、均一な真っ青に塗られた立体は明るいところと暗いところの色が近くなり、
凹凸感が薄れて不思議な青い塊となっていたので、紅葉を見てイブ・クラインとは逆の現象が起きているんだなと思いました。
目の前の木は実際の形以上に濃淡がつくことで下部と上部の差が強調され、
上部に強い光が当たっているような色は実際の日光の光以上に鮮やかに木が照らされているようで、
景色の中で存在が際立ち、実際の天気よりもいい天気に感じさせ空間の見え方も変化させられました。
見慣れたものの違う見え方を体感すると得をした気持ちになります。
秋から初冬の木々はそのお得感を気軽に感じることができるので、近所などに植えられている木を気にしてみてください。
空間の変化
変化の大小はありますが、家の中も物の配置や色により印象は変化し、見え方や感じ方が変わる部分はあります。
今の現状のまま色だけを変えたとしても印象はかわりますが生活はそれほど変わらず、
生活の動線の変化等もなく今のままの生活です。
空間を変えるためには、印象を変える他に空間の形自体を変える方法があり、
人は部屋という仕切られた空間や階段、廊下などの形の中で動くので、
空間の形が変わると部屋の使い方が変化したり、ルーティーンの順番やリズムも変わります。
家の形態を変えるということは自然と生活も変化することになります。
家という空間
リノベーションなどで大きく空間を変える際、作業工程で家は一度丸裸になります。
そこで見えるのは家を支える柱と壁、配線など。
普段の生活では隠されていた物だけが見える状態になります。
そうなった時、その空間に対して家という感情はあまり湧いてこず、
灯りもないので暗く、部屋の大きさも違って感じます。
物がないから広く感じますが、倉庫のように見えてくると天井が低く狭いような気もしてきます。
私たちはその空間ごとのイメージをなんとなく持っていて、その感覚とずれると違うものに感じられるのではないかと考えます。
家といわず今、目の前、自分の周りを取り囲んでいる空間を改めて意識した時、
想像してみてください。
壁の向こう側、窓から入ってくる光の向きから太陽の位置、壁の厚さなど。
普段意識していなかった壁の厚みや、光があたり色のグラデーションができ、影が落ちる様子。
白い壁だと光や影の影響がそのまま目に見え、時間ごとに移ろっていく光と影が認識しやすいです。
デッサンでモチーフにされる石膏像が白いのは影や形がわかりやすく見えるためです。
その中でふとコンセントの位置や照明が目に入ることがあると思います。
はたしてその場所で使いやすいのだろうか。
憧れ先行でイメージを膨らませることと一緒に、目の前の空間内での照明やスイッチの場所、
扉の位置や開く向き等はどうなっているのだろう。
そんな現実も一緒に考えると、リフォームやリノベーションを考える時に具体的にイメージしやすくなると思います。