こんにちは。
名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを提案している杉工建設の寺島です。
首都圏直下型地震や南海トラフ地震が今後30年間に発生する確率は70%といわれています。
これからの住まいは「地震は必ず来る」ことを前提に考える必要があります。
そこで、今回は建物の地震対策の基本となる耐震・制震・免震について考えてみたいと思います。
【耐震構造】
耐震とは、柱・壁・梁・筋違などで建物を固めて、揺れに耐える強度を得る方法です。
地震のエネルギーが建物に直接伝わるため、建物の損傷や家具の倒壊などの被害も大きくなる傾向にあります。比較的、簡易・低コストで施工できるので、多くの建物や住宅に採用されています。
建築基準法が示す「最低限の基準」も耐震の考え方が基本になっています。
【制震構造】
制震とは、建物にダンパーなどの可動装置を設置し、エネルギーを吸収することで揺れを低減する方法です。建物自体の変形・損傷も比較的少なくなります。
【免震構造】
免震とは、建物と基礎の間に積層ゴムなどの装置を設置し、地震の揺れを建物に伝えにくくする方法です。
地震の揺れに共振しないため、建物自体の揺れや変形・損傷・建物内の被害も大幅に低減します。
これら三つの中で注目されているのが「制震・免震」です。
高層ビルやタワーマンションなどには制震と免震の技術が取り入れられ、地震時の揺れを三分の一から五分の一にまで軽減することができます。
先日行われた「住まいの耐震博覧会」で、マンション用の免震装置が付いた地震体験車があったので乗ってみました。通常の非免震の状態では、震度5~6強では手すりにつかまっているのが精いっぱいでしたが、免震状態では手すりにつかまる必要はまったくありませんでした。体感的には、震度3ぐらいの揺れに感じました。家具の転倒などの被害もかなり少なくなると思います。免震効果の威力は予想以上に大きかったです。
コストが高いことや狭い敷地に不向きなど課題は多いですが、最も地震に対して安全性が高いのは「免震構造」です。今後、技術開発が進み、より安全で被害が軽減される工法が確立されることを願います。