改修で大事なのは住まいの見えない部分です

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改修で大事なのは住まいの見えない部分です

《ライフラインの限界》

 

さて、前述した弊社のサイクルプランには聞きなれない「リファイニング」という名称があります。耐用年数を倍近くまで引き上げる事ができるポイントはココです。一般的に「リフォームをしたからウチの配管は大丈夫」と考えがちですが大きな間違いで、現在のリフォームというのは家中の設備配管や電気配線を取替える事はせずに、既設の古い配管へ新設したキッチンなどの配管を接続するだけです。 弊社のリフォームも同じです。

なぜならば、家中の天井、壁、床の仕上げと下地を取り除いてからでないと全てが繋がっていたり、勾配がついていたりするので取替えができないのです。そして、既存の配管の取替えを難しくしているのが配管の規格が変更となった為に太さが今の配管と合わない事。材質も土管、塩化ビニル、鉄、ステンレス、銅など様々なので何度もリフォームを繰り返している建物へ調査に入ると時代や接続の苦労を感じる事があります。

また、無理をして接続した配管では漏水が見られる事もしばしばあります。配管が使えなくなった時点が建物の寿命と考えてしまうととても勿体ない事です。どこかの段階で配管の更新を行う必要性があり、その少し手前がリファイニング時期となります。現在は内部の給水管、給湯管には樹脂管が使用され、排水配管には塩ビ配管、ガス管にはアルミフレキシブル管が一般化しています。

では、10年先はどうでしょうか。分かりません。ですから色々な工法や材質が混在していってしまうのです。現在の建物の配管や電気配線はどんな状態になっているか知っていますか?

 

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配管の説明からすると、調理などに使う上水は水道メーターから給水管を通って蛇口から出てきます。既設住宅には鉄管や塩ビ製のパイプを使っている割合が多いので数十年使用したこのパイプの中は錆やヘドロがこびり付いていてその隙間を水が通っていると表現した方が適切なのかもしれません。

最近の給水管はサヤ管ヘッダー工法という大規模に内装を解体しなくても配管を交換できる様になっていて、材質は樹脂製。樹脂製パイプは日射に弱い為、外部の給水配管は塩ビ製とする事が多いです。15年位前から出てきた工法ですが狭い床下空間で本当に交換ができるのかがこれからの課題ではないかと思います。

 

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排水パイプについてはキッチンやトイレ、洗面台の排水を流す為のパイプで油や石鹸、汚物などを含んだ水が流れるので、こちらも給水配管と同じく閉塞していきます。人間の血管と同じで、閉塞をしてしまうと詰まりの原因にもなるので時期をみて交換をお勧めしたいです。

 

IMG_0007小 15年使用の配管

 

 

電気の配線についてですが、建物火災の6%は経年劣化やホコリや過電流などによるショートが原因との調査結果があります。

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いくら火元のチェックをしていても電気の基本を知っておかないと一瞬で火が付いて大切な建物が燃えてしまいます。新築で建てる際には使う用途によって電線の太さやコンセントの種類、量を計画しますが、リフォームを繰り返したり当初の電気器具から容量の大きな器具に変更したりすると、電線が細過ぎて過電流を起こして火災が発生してしまいます。

電化が進んだ現代では大型のエアコン、電気ストーブ、卓上IHクッキングヒーター、高演色電球の使用など大きな電気を使う器具が普通に量販店で売っていて、コンセントを差せば使えてしまう。 

よく耳にする話では延長コードやタコ足配線は火災の危険があるというのは前述した内容と同じで、1口のコンセントに利用できる電気の容量は決まっているので、その容量によって電線の太さが決まっています。

1口のコンセントにタコ足配線をして大きな電気容量の器具を3つ使用した場合、途中の電線は1.6mmしかないので溶けてしまい火災へとなってしまいます。この様に気が付かないうちに使い方に変化があり、建物が無理をしていっているのがお分かりになると思います。